※ 試聴は反映までに時間がかかる場合があります。
※ 著作権管理事業者等が管理する楽曲は試聴できません。
朝のぬくもりを指先に残したまま、ENGINE START。二台ぶんの鼓動が箱根の朝に重なる。国道一号を上がるほど、湯気の白は背後へ、湖の青は胸のメトロノームを半拍先へ跳ねさせる。
ゲートを抜けて芦ノ湖スカイライン。路肩の破線は今日は音符。右足でそれを歌い、ステアで息を整える。メロディーロードが鳴り、ついハモりに行って見事に外す——その瞬間、隣の黄色のスポーツカーのキャビンから笑い声が弾けるのがわかる。稜線の風が頬を冷やし、白と青が交互に目の奥へ染みてくる。
湖尻から湖畔へ。霧の薄膜の向こうで箱根神社の赤が瞬き、駐車列に吸い込まれそうになってウインカーを戻す。握りしめたレバーのせいでウォッシャーが暴発、フロントに透明が流れて私は固まる。「それは湯でも白煙でもない。ただの透明」—— 2人で吹き出し、スロットルを揃える。
駅伝ストレート。路面が一本、音が一本、視界が一本。青い面と白い線が胸の真ん中をまっすぐ抜けていく。箱根峠への上りでギアを一段落とし、最後のコーナーを抜けると、湖が刀みたいに光った。ハザードが二度。朝の光は静かに定着し、ミラーの小さなリングが微かに揺れる。
——青の周回、完了。
Project ZQQは、ハイスピードで駆けるユーロビート/トランスに“道と景色の物語”を縫い込むプロジェクト。ビートはタイヤ、メロディは風。わたしは、地図の余白をリズムで塗り替えていきます。 東京の高架から海沿いのバイパス、峠のワインディング、各地の景色や温泉、おいしい食べ物まで。 ひとつひとつの曲が一章、次の目的地へ続く短編ストーリーにもつなげている曲もあります。エンジンスタートの瞬間に胸のメトロノームが半拍だけ先へ跳ねる、あの感覚を音で。 ドライブ、作業、トレーニング、深夜のデスク、ダンスフロア。どの場所でも"今"にテンションを合わせて持ち上げるサウンドを届けています。 ※すべてのストーリーはフィクションで、実在の人物や団体などとは関係ありません。