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休日の早朝、国道1号の登り口。
西湘の潮の匂いが薄れ、海の水平線はバックミラーの奥。
前回のパプニングでコンビニに寄らず全開継続。
なぜかシートはまだ冷たい。
赤いオープンカーは息を弾ませ、私は山の鼓動にシンクロしていく。
小田原の街並みが途切れると、空気は一段と澄んだ。
スロットルを少し戻すだけで、景色は縦に伸びる。
宮ノ下、小涌谷。ガードレールの向こうに白いものが立ちのぼる。
鼻をかすめる硫黄の気配。早く温泉に入りたい——そんな気持ちがアクセルより先に前へ出る。
標高が上がるほど霧は濃く、肌に触れる空気は冷たい。
濡れたスカートがひやりと張りついて、落ち着かない。
コーナーのたびに視界が白く切れる。
胸の中の不安まで増幅されていくようで、私は無言でギアを一段下げた。
やがて大涌谷の手前、白は壁のように渦を巻いた。
Project ZQQは、ハイスピードで駆けるユーロビート/トランスに“道と景色の物語”を縫い込むプロジェクト。ビートはタイヤ、メロディは風。わたしは、地図の余白をリズムで塗り替えていきます。 東京の高架から海沿いのバイパス、峠のワインディング、各地の景色や温泉、おいしい食べ物まで。 ひとつひとつの曲が一章、次の目的地へ続く短編ストーリーにもつなげている曲もあります。エンジンスタートの瞬間に胸のメトロノームが半拍だけ先へ跳ねる、あの感覚を音で。 ドライブ、作業、トレーニング、深夜のデスク、ダンスフロア。どの場所でも"今"にテンションを合わせて持ち上げるサウンドを届けています。 ※すべてのストーリーはフィクションで、実在の人物や団体などとは関係ありません。