幻燈のフレームのジャケット写真

歌詞

幻燈のフレーム

Akemi

日曜の午後二時 246号線(にーよんろく)沿いの部屋

先月終えた二年の恋の

隙間を埋めるための片付け

触れた段ボール 父の映写機

カシャンと進む 厚紙のフィルム

国道(ルート)16号の褪せた夕焼け

置いてきた街のあのフェンス越し

今はただ静かに光と色だけ

暗闇に浮かぶ四角い過去(きのう)

指先でレンズのピントを合わせば

鶴間公園の砂場 無邪気な私が

知らない誰かのように笑っている

ファンが微かに唸る部屋の中

舞い散る埃は記憶のノイズ

レンズの向こうでシャッターを切った

あの日の父の視線をなぞっている

許したわけじゃないと呟きながら

次の一枚を待つ私がいる

「ありがとう」の言葉は喉の奥で

アンバーのグラスに溶かして飲み込む

最後のフィルムが通り過ぎた後

壁に焼き付く真っ白な光

名前のない明日(みらい)がただそこにあって

何も描かれていないフレームが眩しい

熱を持った機械の電源は切らずに

少しだけ窓を開け夜気を引き入れる

箱は押し入れじゃなく部屋の隅へ

指先に微熱を残して

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

幻燈のフレームのジャケット写真

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    幻燈のフレーム

    Akemi

「幻燈のフレーム」は、別れの後の日曜の午後、父が残したスライド映写機を回し、最後の一枚の後に残る白い光に、まだ撮られていない未来の気配を見出す時間を描いたミディアムテンポのシティポップ。
二四六沿いの三茶の部屋、押し入れから取り出した段ボール、カシャンと送られる厚紙のフィルム、国道16号の褪せた夕焼け、そして壁に焼き付く真っ白な光――逃げてきたはずの故郷が光と色だけの場所として立ち上がり、空白だったはずのフレームが未来の気配を帯びていく。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、許すでも恨むでもない第三の場所に不在の人を置きながら、過去を仕舞わず部屋の隅に残す大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、家庭に普及した記録再生装置、記憶の映像化、離れた街への視線を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

最後のスライドが通り過ぎた後、何も映っていないはずの白いフレームが眩しく光り、喉で溶かした「ありがとう」はまだ言葉にならない。
映写機の電源を切らずに少しだけ窓を開け、段ボールを押し入れに仕舞わず部屋の隅に置く――そんな再生の兆しを描いた楽曲。
Produced by nanayon music.

アーティスト情報

  • Akemi

    1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。

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