君がいた夏は、のジャケット写真

歌詞

朝顔の恋

葉山リナ

夏期講習 七時半

眠い街を自転車で

近道だと 下った坂

初めて曲がる住宅街

古い家の軒先で

あなたはホースを握ってた

朝顔の鉢を並べて

静かな朝に水をまく

白いTシャツ 揺れる髪

少しだけ眩しくて

「おはよう」なんて言えなくて

僕はだまって通り過ぎた

名前も知らないのに

なぜだろう

僕は明日の朝を待っていた

朝顔の恋でした

朝にだけ会えるあなたでした

青い花がひらいた朝

僕はあなたを見つけたよ

ほんの数秒 すれ違う

それだけが嬉しかった

八月の風の中で

あなたは僕の夏でした

蝉の声が遠くなり

少しだけ空が高くなる

解き終わらない問題より

あなたのことを考えた

今日はあえるかなって

坂道を急いだ朝

ふと目が合った気がした

でも僕は何も言えなくて

夏なんて終わらないと

どこかで

僕は勝手に思っていた

朝顔の恋でした

言葉にならない恋でした

花は昼にしぼむのに

想いだけは残ったまま

あなたの家の前を通る

それだけの毎日でも

僕にとってあの道は

世界でいちばん輝いてた

九月の風が吹いた朝

いつもの坂をくだったら

朝顔の鉢は消えていた

閉じたままの 雨戸が

夏の終わりを告げていた

朝顔の恋でした

朝にだけ会えるあなたでした

青い花がひらくとき

僕はあなたを探してしまう

朝顔の恋でした

ひと夏だけの恋でした

あなたの名前も知らないまま

夏だけが過ぎていった

あの日 あなたがまいた水が

朝の光に揺れていた

いまでも夏が来るたび

あの坂には 朝が開いている

  • 作詞者

    葉山リナ

  • 作曲者

    葉山リナ

  • プロデューサー

    葉山リナ

  • ボーカル

    葉山リナ

君がいた夏は、のジャケット写真

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港町の夏。 朝顔に水をやる朝。 飛行機を見送る夜。 九月の風が吹いた街の記憶。 遠くなった故郷の空。

葉山リナのアルバム『君がいた夏は、』は、過ぎ去った時間の中に残る景色を集めた作品です。

恋の始まりも、言えなかった言葉も、叶わなかった夢も、感謝も、祈りも。 それぞれは別々の物語でありながら、人々の想いをつなぐ糸のように。

アルバムタイトルの読点「、」には、その続きを聴く人に委ねるという意味を込めました。

夏の終わりの風のように。 誰かの記憶の中に、そっと残りますように。

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