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その人は、死んだ。
それだけは、誰にも覆せない事実だった。
けれど法廷では、
「知っていたのか」
「予見できたのか」
「本当に殺すつもりだったのか」
という言葉が積み重ねられていく。
未必の故意。
その言葉は、必要な線引きなのかもしれない。
法は感情では裁けない。
社会は基準を持たなければならない。
それでも。
遺された人間にとって、
愛する誰かの時間が止まったことに変わりはない。
悪意があったかどうか。
故意があったかどうか。
その違いによって、
失われた命の重さは変わるのだろうか。
「未必の故意」は、
法律を否定する歌ではない。
法が必要だと理解しながらも、
感情が追いつけない瞬間を描いた歌だ。
正義とは何か。
責任とは何か。
許しとは何か。
答えの出ない問いだけが、
静かな法廷に残されていく。
そして今日もまた、
誰かの名前が判決文に記される。