合鍵のコーダのジャケット写真

歌詞

合鍵のコーダ

Akemi

枯れたゼラニウム 窓辺に残し

玄関で外す 真鍮の合鍵

靴は履いたまま 茶を断った

畳んだ新聞 あなたの角

ぬるい指先 鍵穴を回す

朝の青山 まだ眠ってる

合わせて削った 一本のギザ

あなたの留守を 開けるためだけ

リングから外せば 内側に入れない

ドアの向こうは あなたの夜

削った刻みが 手のひらで光る

246の灯 にじんでいく

郵便受けには 私の名は無い

玄関マットの 位置だけ覚えてる

白い封筒に 合鍵を載せて

封を舐める 唇が乾く

鶴間の台所 釘に掛けた鍵

誰の手も同じ高さで届いた

近すぎる距離を あの家は知ってた

合わせ過ぎた鍵は もう削り直さない

ポストに落とせば 内側は開かない

ドアの向こうは あなたの朝

削った刻みは あなたの手の中

246の灯 遠ざかっていく

封筒の口に 滑らせる指先

「鍵はそこに」と 言わないでおいた

靴音ひとつ 角を曲がれば

ざらつく指先 削りくずひとつ

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

合鍵のコーダのジャケット写真

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    合鍵のコーダ

    Akemi

「合鍵のコーダ」は、留守を埋める係として渡された合鍵を自ら外し、ドアの外の他人へと戻っていく早朝の別れを描いたミディアムテンポのシティポップ。
早朝の青山、窓辺に残された枯れたゼラニウム、几帳面に畳まれた新聞の角、真鍮のリングから外す一本の合鍵、そして白い封筒に滑り込む金属の音――相手に合わせて削り続けた半年の痕跡が、求めも咎めもしない静かな決別を浮かび上がらせる。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、自分が「留守を埋める係」であったと気づいたとき、前のようにと求めるのではなく、自分の立つ位置を自分で決めてドアの外側へ戻ることを選ぶ大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやアーバン・ポップが持っていた、都会の夜明け、鍵の手触り、名前を持たない関係の距離感を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

真鍮のリングから合鍵を外せば、そのドアはもう内側からは開かない。
「鍵はそこに」とは言わずに封筒を滑らせ、指先に残った削りくずだけを連れて角を曲がる――そんな成熟した別れの余韻を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.

アーティスト情報

nanayon music

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