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" A Tear That Never Fell "
パンドラの箱の奥で見つけたのは、希望ではなく過去に残された一粒の青い涙。
取り戻せない時間、言えなかった言葉、そして失われた愛。
静謐なサウンドスケープの中で、記憶と運命の裂け目を辿る
文学的で幻想的な楽曲。時間を巻き戻すことができたなら
人は何を取り戻すのか——
そんな問いを静かに投げかける作品です。
訳:
暗い船底の奥深く、
声も血も持たない、冷たい蓋。
誰も知らない秘密のように、
音もなく、その蓋が持ち上がり始める。
ビロードのような闇が、あたりの空気を呑み込んでいく。
記憶の掛け違いのように、
そこには、何もない。
なにも、ない。
けれど、闇は花開くように動き出した。
青い世界に走った、ひとすじのひび割れ。
暗がりのなかの、ほんの小さな何かが、
私の瞳に飛び込んできた。
それは、こぼれ落ちることのなかった涙のよう。
とうとう口にされることのなかった言葉のよう。
私の意志なんてお構いなしに、
静まり返った殻のなかで、それは横たわっていた。
見失ってしまったものの、淡い青色の涙。
それが、彼女の名前を呼んだ。
ねえ、パンドラ、分かっているの?
あなたが私から何を奪い去ったのかを。
もしも時間の針を巻き戻せるなら、
あなた自身の犯した罪から、彼女を奪い返したい。
彼女の心が、あの場所に閉じ込められてしまう前に。
真実が、隠されることを強いられる前に。
そして、彼女の魂を私の元へと連れ戻すんだ。
部屋の隅、かすかで、小さな、
夢を見ることもなく転がる光。
今にも消え入りそうな星のようだ。
それを胸に抱きしめると、
ビロードの闇は、さっきより温かく私を包み込んだ。
決して眠ることのない亡霊のように、
そこで揺れている。
ただ、揺れている。
時間を超えて明滅する、断片的な記憶。
置き去りにしてきたはずの過去から、
ひび割れた夜を通り抜けて、私を呼ぶ声がする。
あれは、愛だったのだろうか。それとも痛みだったのか。
奔流が私の名前をかき消していくように。
空がその青さを忘れていくように。
過去のなかで、あの痛みをなかったことにして。
あの言葉は、かつては真実だった。
「時間なんて、ただの壊れた車輪よ」
彼女はいつも、そう言っていた。
ねえ、パンドラ、今すぐ私の声を聴いて。
運命がどうなんて、今の私にはどうでもいい。
もし定められた未来にわずかでも隙間があるなら、
この手で引き裂いて、確かめてみせる。
激しい引き潮の底で、それは今も燃え続けている。
今も静かに、彼女の名前を呼び続けている。
彼女がずっと昔に埋めてしまった、あの愛を。
地面に触れることのなかった、ひとしずくの涙。
波の底で、それは今も生きている。
声を上げ、音を立てながら、
荒れ狂う風のなかで、激しく吹かれている。
ねえ、パンドラ、分かっているの?
あなたが私から何を奪い去ったのかを。
もしも時間の針を巻き戻せるなら、
あなた自身の犯した罪から、彼女を奪い返したい。
彼女の心が、あの場所に閉じ込められてしまう前に。
真実が、隠されることを強いられる前に。
そして、彼女の魂を連れ戻すんだ。
家に帰ろう。
帰ろう。
私の元へ、帰ってきて。