The Smile Of Artemis ー孤独な野獣の森ーのジャケット写真

The Smile Of Artemis ー孤独な野獣の森ー

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『アルテミスの微笑み』
現代人が抱える孤独、現実逃避への願望、そして失われた純粋性。
『アルテミスの微笑み』は、古代神話のモチーフを現代的な心理描写へ昇華した壮大なダークファンタジー作品です。
主人公の前に現れるアルテミスは、救済なのか破滅なのか。
美と恐怖、憧れと喪失、夢と現実が交差する物語は、まるで一本の長編映画や文学作品のように展開します。
幻想的なサウンドスケープと繊細なストーリーテリングが生み出す没入感は、日常に疲れた心を非日常の世界へと誘います。
神話的ロマンと現代的な孤独が共鳴する、新時代のダークファンタジーソングです。
訳:
壊れた玉座に寄りかかって、私は眠っていた。
銀のドームに覆われた、切り株の上の特等席。
夜の気配が、骨の奥にまでじっとりと染み込んでいく。
そこには誰もいない。私は、たった一人だった。
彼女は、音もなく現れた。
凍てついた地面の上に佇む、裸足の幽霊。
まるで、内側の「何か」がこちらをじっと覗き込んでいるような、
あまりにも静かで、あまりにも暗く、見開かれたその瞳。
言葉を交わすことなく、彼女はただ、微笑んだ。
それは、決して誰の耳にも触れてはならない、あまりに静かな何か。
目を覚まさないで。
動いちゃダメ。
影があなたを呑み込んでしまう、その場所にいて。
あなたが消えていく頃に、私はまた戻ってくるから。
私たちが作りだした、この静寂の中で。
目を覚まさないで。
泣いたりしないで。
あなたはもう、あっち側の世界の人間じゃない。
私と一緒にいよう。
時間の途切れた、この神聖な森の中で。
彼女のドレスの裾は、膝の上で短く切り揃えられていた。
木々の隙間に隠された、飢えのように剥き出しの野生。
私の恐怖に絡みつくように、彼女の指先が伸びてくる。
あまりにもゆっくりと、あまりにも近く。
その瞬間、世界がするりと指の隙間からこぼれ落ちた。
彼女の笑みが、私の意識にこびりついて離れなくなる。
それはどこか神聖で、けれど、決定的に間違っている。
私が決して、足を踏み入れてはいけなかった場所。
岩肌に打ち付ける波のような、その声。
それは、私が今まで知ることのなかった、愛のようにおそろしく冷たい。
目を覚まさないで。
動いちゃダメ。
影があなたを呑み込んでしまう、その場所にいて。
あなたが消えていく頃に、私はまた戻ってくるから。
私たちが作りだした、この静寂の中で。
目を覚まさないで。
逆らおうとしないで。
口づけで、あなたをここに閉じ込めてあげる。
あなたはあの子たちの仲間じゃない。
最初から、そうだったでしょう?
これからは、私の世界で生きていくの。
私は眠った振りを続ける。
私が必死に守っているものを、彼女に奪われてしまわないように。
決して触れ合おうとはしない、臆病な両手。
いつだって、触れれば火傷するほどに痛い、本当のこと。
彼女は私を見ているのではない。私を通り抜けて、その向こう側を見ている。
私には一生、見ることのできない何かを。
獣たちは寂しい。そして、彼女もまた、ひどく孤独なのだ。
愛なんて、突き詰めればただの肉体の仕組みに過ぎないのに。
「目を覚まさないで……、覚まさないで……」
目を覚まさないで。
息を止めて。
あなたは、その目で見てしまったものの虜。
彼女の瞳の中に。彼女の狂気の中に。
あなたは、最初からただの子供ではいられなかった。
目を覚まさないで。
壊れたままでいて。
あなたはもう、誰でもない。
彼女がその名を呼ぶとき、
あなたは堕ちていく。
何もない、けれど、すべてがあるその場所へ。
昇りゆく夜明けの光の底で、
私は確かにここにいるのに、もうどこにもいない。
そして、彼女の微笑みだけが、いつまでも私の輪郭に残っている。