

春の夜 霞たなびき 川辺に香る
花の吐息 誰を誘う
揺れる月影 面影のせて
さざ波のように 名を呼ぶ声
百夜通えば 逢えるでしょう
君が笑えば それがすべて
風にまぎれて 返る言葉
夜半の夢に 何度も見る
咲いて 散って また咲いて
声の記憶が 胸に舞う
春はめぐりて 花は咲けど
わたしの春は 君にあり
花よ 咲きてなお
香りは空に 溶けてゆく
呼ばずとも 聴こえる声
遠き記憶を 揺らすように
九十九夜 雨に打たれ
灯もなく立つ 戸口の前
雪の百夜 言葉は絶え
ただ、影だけが 戸を叩く
問うても 返らぬ この心
空に溶けても 香り残る
誰も知らぬ 恋の痕跡
詠にしずめて 託したい
花よ 朽ちぬとも
土に根張り ひそやかに咲く
恋のうた 誰に届くや
風の中 ただ香りして
鏡の奥 映る貌
老いたる声 今もなお
あの春に 咲きし花のよう
儚き夢に 紅を差す
紙上に遺した 黒き文字
それはわが恋 名なき物語
誰にも届かぬ その声
夜風に乗せて 空へ還す
花よ 散れどなお その香りは 永遠に咲く
声よ 消えずとも 夢に変わりて 春を撫でる
花よ 咲きてなお 声は深く 土に響く
わたしの名は 風の中 君の夢路を さすらいて
咲いて 散って 香り残し 声だけが 風に漂う
花の記憶 夢の名残り 胸裏に宿る うたかたの灯
花よ 散れどなお
声よ 歌となりて咲け
恋に生きたる わが小町
その詠こそが 永遠なり
春はまた めぐり来たりて
花影に 名を重ねたり
うたかたにして 咲く我の恋
誰ぞ知らずも 香りゆかし
- 作詞者
HARU×澪
- 作曲者
SUNO
- プロデューサー
HARU×澪
- リミキサー
SUNO

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百夜の誓い (Original)
Echo Scroll
深草少将の「百夜通い」とは?——平安の恋に捧げた百の夜
深草少将(ふかくさのしょうしょう)は、平安時代の貴族であり、ある姫君に深く恋をしました。しかし姫は容易には心を許さず、こう告げます。
「もしあなたが、百夜にわたって私のもとへ通って来たなら、その時は想いを受け入れましょう」
それは、風や雪、雨の降る夜もある、厳しい試練の約束でした。
それでも深草少将は、毎夜、姫の屋敷に通い続けます。静かに門前に立ち、ただ姫を想い、百日分の情熱を積み重ねていきました。
そしてついに、百夜目の夜が訪れます。しかし――
その夜に限って、嵐が深草少将を襲いました。身体も冷えきる中、彼は力尽きてしまい、百日目の恋は、果たされることなく終わってしまうのです。
この物語は、「忠誠と愛」「報われぬ想い」「命を懸けた恋」として、今なお語り継がれています。後世では、“百夜通い”=誠実な恋の象徴として多くの歌や物語に取り上げられ、切なくも美しい日本の恋愛譚として親しまれています。