

暗いくらい森の底に男はひとり住んでいた
寒いさむい洞窟の家 飢えにさいなまれて
廻るまわる記憶の渦に巻きこまれては嘆いた
「ここはどこだ、おれは誰だ
ここから一生、抜け出せないのか」
No, No 元気のないやつ No, No 勇気もな
No, No 気力がないやつ そんなやつは救えない
ああ 男は待っていただけさ 誰かが見つけてくれるのを
ああ それでは生き残れないな 傷だらけのからだを慰めて
月の光を追いかけていた 狼みたいに吠えてた
腕に巻いた時計は壊れ 竜頭も錆びついた
「熱い酒と煙草が欲しい できれば女を抱きたい
情けないぜ 冬の月よ お願いだ おれを助けてください」
No, No 挫けてるやつ No, No ごめんだね
No, No いじけてるやつ そんなやつは助けない
ああ 男の背中を突いたら雪の中に埋もれそう
ああ 今にも眠りにおちそう その凍えるからだをあたためて
暗いくらい森の底に男はひとり住んでいた
寒いさむい洞窟の家 飢えにさいなまれて
辛いつらい季節を耐えて雪解けの日を待っていた
「ここはイヤだ 俺はおれだ
ここから絶対 脱け出してやる」
そうさ 止まった時計を もう一回 まわすんだ
おまえに光をあげよう わたしの声が聞こえるか?
ああ 時間が流れはじめた ああ 澱みをぬけ出した
ああ 優しく柔らかい声が 森の中にこだまする
ああ まだ見ぬあなたをみつけた さあ このおれ受けとめて
ああ ずいぶん長い冬だった さあ あふれる このおれ受けとめて
- 作詞者
岩下啓亮 Sardine
- 作曲者
岩下啓亮 Sardine
- プロデューサー
岩下啓亮 Sardine
- レコーディングエンジニア
岩下啓亮 Sardine
- ミキシングエンジニア
岩下啓亮 Sardine
- グラフィックデザイン
岩下啓亮 Sardine
- ギター
岩下啓亮 Sardine
- ベースギター
岩下啓亮 Sardine
- キーボード
岩下啓亮 Sardine
- ボーカル
岩下啓亮 Sardine
- バックグラウンドボーカル
岩下啓亮 Sardine
- ピアノ
岩下啓亮 Sardine
- ハーモニカ
岩下啓亮 Sardine

岩下啓亮 Sardine の“冬の月”を
音楽配信サービスで聴く
ストリーミング / ダウンロード
- 1
泣きたいときには、泣け
岩下啓亮 Sardine
- ⚫︎
冬の月
岩下啓亮 Sardine
- 3
Dan Dan Dah
岩下啓亮 Sardine
- 4
よいの明星
岩下啓亮 Sardine
- 5
遠い渚
岩下啓亮 Sardine
- 6
漂流
岩下啓亮 Sardine
- 7
かりん
岩下啓亮 Sardine
- 8
Baby it's so hard. but I don't mind
岩下啓亮 Sardine
- 9
イワシがオンナにモテない理由
岩下啓亮 Sardine
- 10
ぼくは莫迦だ
岩下啓亮 Sardine
- 11
皮肉屋ケイスケ 齢は三十
岩下啓亮 Sardine
- 12
はじめまして
岩下啓亮 Sardine
- 13
おんぼろクルマ
岩下啓亮 Sardine
- 14
風をあつめて
岩下啓亮 Sardine
- 15
ともだちがいっぱい
岩下啓亮 Sardine
- 16
えくぼ
岩下啓亮 Sardine
- 17
午前3時
岩下啓亮 Sardine
- 18
新世紀行進曲
岩下啓亮 Sardine
私は1989年から1996年まで静岡県浜松市に住んでいた。教育楽器のメーカーに勤めた7年間で、私はプロのインストラクターとして日本全国で指導し、編曲し、楽譜を書いた。さまざまな技術を習得したが、自分の音楽にはあまり反映させなかった。手慣れた感じになることを意識的に避けていた。この時期に書かれた歌はどれもどこかしら澄ました顔をしている。アルバムを『ウインザーノット』という気取ったタイトルにしたのも、仕事でいつもネクタイをしていたサラリーマン時代を回想してのことだ。
アルバムは三部構成になっている。トラック1から6までが仕事に忙殺され孤独にさいなまれた時期、トラック7から11までが失恋に打ちひしがれている時期、トラック12から18までが新しい出会いと結婚にいたるまでの時期だ。つまり30歳前後の私が描かれた、バラエティーに富んだアルバムになったと思う。ぜひ聞いてみてほしい。
アーティスト情報
岩下啓亮 Sardine
鰯こと岩下啓亮 Sardineです。 1983年から2003年までの20年間で、ひとり多重録音した楽曲が約200曲あります。これらを8枚のアルバムにまとめて2024年に順次アルバムをリリースしました。2025年はアンソロジーの代わりに、年代順に編集したアルバムを発表します。 その音楽は、多種多様です。親しみやすいポップスもあれば、社会的視点をそなえたメッセージソングもあります。プログレッシブな構築性もあれば、パンク的な破壊志向の側面もあります。手ごわいピアニストで、マッドなシンセサイザー弾きで、たどたどしいギタリストで、音の読めるベーシストで、緩いリズムのパーカッショニストで、ひとり多重コーラスを駆使する、不器用なシンガーソングライターです。それらすべてのパートが、一つの人格に統合されているのです。 ロマンチックと薄情と情熱の混淆、とりとめもない不安と届かぬものへの憧憬を描いた、オールディーズだけどもエヴァーグリーン。表情豊かな鰯の音楽を、ぜひお聞きください。
岩下啓亮 Sardineの他のリリース