元彼に薬漬けにされてた私のジャケット写真

歌詞

元彼に薬漬けにされてた私

誰にも言えない

優しい声で

「大丈夫だよ」って

注射器と一緒に

白い粉

眠れないでしょ

疲れてるだけ

そう言われるたび

疑うのをやめた

予定も感情も

ぼやけていって

泣いてた理由さえ

思い出せなくて

私の代わりに

決める人が

いつの間にか

隣にいた

おかしいって

思う前に

安心する癖が

ついていた

元彼に

薬漬けにされてた私

安心って言葉が

鎖みたいだった

嫌だって

言えなかった私

静かになるほど

いい子だと

褒められた

薬を打たれて

拒否も失くして

同じ夜を

何度もなぞってた

眠るか

抱かれるか

それ以外の未来を

知らなかった

友達の名前

思い出せなくて

「大丈夫?」って

笑われた

怒ると

また量が増えて

おとなしくなると

優しくなった

元彼に

薬漬けにされてた私

従うことが

生き方みたいで

望んでないのに

身体だけが残って

気持ちは

どこかで

止まったまま

誰も縛ってないのに

動けなかった

私が私じゃ

なくなるみたいで

「君のため」

その一言が

全部

正しい気がした

壊れてたのは

関係じゃなく

感覚の方

だった

元彼に

薬漬けにされてた私

弱かったんじゃない

信じてただけ

抜け出した今も

後遺症みたいに

自分の判断を

確かめながら

生きてる

薬は

もうやっていなき

でも

朝はゆっくり

自分で選ぶ

この時間を

取り戻すみたいに

呼吸してる

  • 作詞者

    510

  • 作曲者

    510

  • プロデューサー

    誰にも言えない

  • グラフィックデザイン

    誰にも言えない

  • ボーカル

    誰にも言えない

元彼に薬漬けにされてた私のジャケット写真

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    元彼に薬漬けにされてた私

    誰にも言えない

「元彼に薬漬けにされてた私」は、暴力や支配がはっきりとした恐怖としてではなく、「安心」「優しさ」「正しさ」の言葉に包まれて進行していく過程を、極めて静かに描いた楽曲です。

この曲の核にあるのは、「なぜ逃げられなかったのか」という問いではなく、
“疑う力を奪われていく感覚そのもの”です。

相手は怒鳴らない。
殴らない。
むしろ「大丈夫」「君のため」という言葉で、判断を代行し、感情を麻痺させていく。
その結果、主人公は抵抗を失ったのではなく、考える余白そのものを奪われていく。

サビで繰り返される「元彼に 薬漬けにされてた私」という言葉は、
被害の告白であると同時に、後からようやく言語化できた事実でもあります。
当事者でいる間は、それを“異常”と認識できなかった――
その時間差が、この曲全体に重く横たわっています。

後半で明かされるのは、壊れていたのが「関係」ではなく「感覚」だったという気づき。
これは非常に重要で、
支配的な関係が残す傷は、記憶や身体以上に**「自分で決めることへの不安」**として残る、という現実を突いています。

アウトロで描かれる「朝はゆっくり」「呼吸してる」という描写は、
劇的な回復ではなく、ごく小さな自己回復の始まりです。
自分で選ぶ時間を、慎重に、確かめるように生きていく――
それがこの曲のたどり着いた希望です。

この楽曲は、誰かを糾弾するための歌ではありません。
また、被害をセンセーショナルに消費する歌でもありません。

「信じていたからこそ起きたこと」を、静かに肯定し、
それでも生き直している“今”を肯定する歌です。

言葉にできなかった人の代わりに、
「それは弱さじゃなかった」と、そっと置いていく一曲です。

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