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夜はまだ若いのに、
音だけが先に熟している
遠くで鳴るギターが、
時間を少しずつほどいていく
グラスの縁に触れた指先みたいに、
リズムはゆっくり、輪を描く
誰も急がない
でも、誰も止まれない
声は低く、
言葉の半分は空気に溶ける
意味じゃなくて、
温度だけが残る
たとえば名前を呼ばれても、
それが自分なのか、夜なのか分からない
そんな曖昧さの中で、
距離だけが静かに縮まる
触れていないはずなのに、
鼓動の速さだけが揃っていく
ラテンの遅さは、
遅れているんじゃない
“わざと外している”
理性のタイミングを少しだけずらして、
本能に追いつかせるために
だから音は、
いつも少しだけ後ろから来る
その遅れに、
体が勝手に反応してしまう
夜は深くなるほど、
境界線を失っていく
あなたと自分の間にあったはずのものが、
いつの間にか溶けている
そして最後に残るのは、
言葉じゃない
ただ、同じ速さで揺れている
ふたつのリズムだけ
昔、人は火を手に入れた。 やがて鉄を知り、空を飛び、 ついには星を見上げるまでになった。 だが―― 便利になった世界で、 人の心は少し迷っている。 地球は熱を帯び、 争いはまだ終わらず、 街の灯りの中で ひとり静かに生きる者もいる。 強くなることは出来た。 だが、優しくなることは まだ途中なのかもしれない。 いま人類に問われているのは、 どこまで行けるかじゃない。 どんな世界を残すのか。