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最初の音は
もう思い出せない
ただ、どこかで鳴っていたはずの旋律が
錆びた空気の中で
わずかに揺れている
触れようとすると
音程はにじみ
リズムはほどけていく
それでも耳の奥で
消えきらない何かが
繰り返し、かすかに息をする
記憶とは
正確に再生されるものじゃない
歪みながら続く
即興のようなものだ
だから僕は
崩れたフレーズを拾い集めて
もう一度、鳴らそうとする
それが本当に同じ旋律でなくても
ここに響いたという事実だけは
まだ、消えていないから
昔、人は火を手に入れた。 やがて鉄を知り、空を飛び、 ついには星を見上げるまでになった。 だが―― 便利になった世界で、 人の心は少し迷っている。 地球は熱を帯び、 争いはまだ終わらず、 街の灯りの中で ひとり静かに生きる者もいる。 強くなることは出来た。 だが、優しくなることは まだ途中なのかもしれない。 いま人類に問われているのは、 どこまで行けるかじゃない。 どんな世界を残すのか。