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失われた世界では、
文化は飾りではなく、
生き残るための最後の教育だった。
崩れた劇場の柱に、
誰かが詩を刻み、
割れた校舎の窓辺で、
誰かが旋律を教えた。
言葉を失えば、獣になる。
美を忘れれば、瓦礫になる。
だから人々は、灰の街でなお、
古い書物を抱きしめた。
燃え尽きた都の路地裏で、
男は錆びた鍵盤を叩く。
その一音ごとに、
滅んだ文明が息を吹き返す。
怒りではなく、
欲望でもなく、
人が人であるための熱。
それを誰かが呼んだ。
廃都熱情。
昔、人は火を手に入れた。 やがて鉄を知り、空を飛び、 ついには星を見上げるまでになった。 だが―― 便利になった世界で、 人の心は少し迷っている。 地球は熱を帯び、 争いはまだ終わらず、 街の灯りの中で ひとり静かに生きる者もいる。 強くなることは出来た。 だが、優しくなることは まだ途中なのかもしれない。 いま人類に問われているのは、 どこまで行けるかじゃない。 どんな世界を残すのか。