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黒いシルクのような夜が
私の肌を静かに包む
指先が滑るたび
君の吐息が耳朶をくすぐる
でも、私の奥底には
その熱が届かない
唇が近づき
柔らかな胸の谷間が息づく
黒の矯正下着が
私の輪郭をきつく、優しく締め上げる
君の視線がそこに注がれる
重く、甘く、溶けるように
私はそれを感じる
肌の表面で、鼓動の端で
でも、身体の奥にあるはずの
あの渇きは生まれない
ただ、温もりだけが
静かに、深く、残る
君の指が私の腰をなぞる
黒いレースの縁をたどる
私は微笑む
この距離が、私の愛の形
官能はそこに在る
でも、私の中にはない
それでも、君とこうして
肌を寄せ合うこの瞬間が
私にとって、
最も甘く、
最も静かな
悦びなのだから
昔、人は火を手に入れた。 やがて鉄を知り、空を飛び、 ついには星を見上げるまでになった。 だが―― 便利になった世界で、 人の心は少し迷っている。 地球は熱を帯び、 争いはまだ終わらず、 街の灯りの中で ひとり静かに生きる者もいる。 強くなることは出来た。 だが、優しくなることは まだ途中なのかもしれない。 いま人類に問われているのは、 どこまで行けるかじゃない。 どんな世界を残すのか。