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触れ合わずとも、燃えていた。誰の体温にも属さぬまま、胸の奥でだけ育つ火がある。
求めることなく、奪うことなく、ただ静かに世界を焦がしていく熱。
孤独は冷たさではない。沈黙は空虚ではない。
誰にも抱かれぬ魂ほど、ときに純粋な炎を持つ。
名もない夜に立ち尽くし、男は知る。
触れぬままでも、この熱は本物だと。
昔、人は火を手に入れた。 やがて鉄を知り、空を飛び、 ついには星を見上げるまでになった。 だが―― 便利になった世界で、 人の心は少し迷っている。 地球は熱を帯び、 争いはまだ終わらず、 街の灯りの中で ひとり静かに生きる者もいる。 強くなることは出来た。 だが、優しくなることは まだ途中なのかもしれない。 いま人類に問われているのは、 どこまで行けるかじゃない。 どんな世界を残すのか。