猫の尻を撫でている時間が無駄だとは思えない
あえて二駅分歩く夕方が無駄だとは思えない
周囲の音が消し飛ぶほど 信号機が色を失うほど
頭の中で自分を罵る帰り道が無駄だとは思えない
Googleの胸ぐらを掴んで クソ餓鬼に初恋を教えてくれた
あの子の現在を聞き出そうとする愚行が無駄だとは思えない
銭も稼げないまま 知恵も絞れないまま
天井の木目をただ 眺め溶かした平日が無駄だとは思えない
何故か今日までの全てが 何故か今日までの全てが
何故か今日までの全てが 何故か全てが無駄だとは思えない
昨日の俺が投げた石に今日躓く
一昨日の俺が何故か先回りして笑っている
ああ確か石に躓いた人を見て笑ったんだっけ
明日は何したら笑えるんだろう
思い通りにいかない毎日
理想からかけ離れた日々は苦しく
とはいえ何もない訳でもなく 喜びを感じることもある
しかしそれらを鑑みても楽しくない
日常に潜む小さな幸せは 尊く美しいとしばしば言われるが
しかし文字の通り小さく感じ
月曜の次に火曜があること 火曜の次に水曜があること
その三日間三食何かを食べられていること
この事実はもう俺の口角を上げてくれない
胸に空いた穴を埋めてくれない
身に余る幸せに溺れていたい
今の自分が抱える苦しみの生みの親が
過去の自分だと悟った時 また新たな苦しみを生む
己に背を刺されて 己の背を刺して
他人に伝わらなくて当然の程度の低い連鎖から脱けずにいる
油の切れたチェーンでノイズを鳴らし ペダルを踏む濡れ鼠
転がっているのは不毛な怒りばかり 点々と在る淡い光
今日までの全ては無駄だった 全てとは言わずともほとんど
明日以降もそうだろう 下らないこと 屑籠からゴミ処理場
- Lyricist
Kuu Drab
- Composer
Kuu Drab
- Producer
Kuu Drab
- Vocals
Kuu Drab
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