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琴吹羽音 8th Album 『Today and Tomorrow』 2026.02.15 Release
「過去(Yesterday)を詰め込むには、まだ夜は明けきっていない。」
前作『Slow and Then』の熱が冷めぬまま琴吹羽音が、わずか一ヶ月という驚異的なスパンで8枚目のオリジナルアルバム『Today and Tomorrow』をドロップする。「Now and Then」へのオマージュを冠した多幸感溢れる”趣味の極致”だった前作に対し、今作が提示するのは、ビートルズ因縁の名盤「Yesterday and Today」発禁となったブッチャーカバー回収後、上から張り付けたことで知られる通称「トランクカバー」を彷彿とさせる、あまりにも鋭利で私小説的な「日常の裏側」である。
静謐な旋律から始まり、幕開けから度肝を抜くほどパワフルに、今作中最もロックな熱量で歌い上げられる「均衡のレゾナンス - Equilibrium -」と、対照的に軽やかなリズムに乗ってすべてをなぎ倒すようなスピード感で駆け抜ける「均衡のレゾナンス - Momentum -」同タイトルにして対極にある二つの”均衡”がアルバムの始まりと終わりに収録された。
感情的な核となるのは、オリジナルシングル、アルバム版に次ぐ第三の輝きとして放たれる「Blue Moon Crisis -Little sister ver.-」シリーズ三作目となる今作では、聴き手の心にそっと寄り添うような優しさと力強さのエッセンスを抽出し、これまでのドラマチックな展開をより色濃く打ち出す。過去作と同様に大切なメッセージを内包し、耳元で語りかけるような柔らかな歌声が、静かに、しかし深く浸透していく様は、まさに”三度目の衝撃”と呼ぶにふさわしい。
また、アルバムの核心を突くリード曲「NO REASON MIDNIGHT GLOW」では、深夜に差し込む青白い光をテーマに、甘さと毒を内包した中毒性の高いポップサウンドを展開。「答え合わせを夜明けまでに」では、逃げ場のない自問自答と、残酷なほどに清々しい街の様子を通して、これまで見せなかった恋愛観をストレートに描写。見事な一発回答で彼女の表現力がまた新たなステージに到達したことを確信させる。EDMに民族的サウンドを織り交ぜ聖域を自ら破壊するような攻撃性を孕んだ「Sanctuary XX」を含め、全6曲を通して描かれるのは、綺麗事では片付けられない「今日」という現実だ。
カバーアートでトランクの上に腰掛け、自嘲気味に指をこめかみに当てるその姿は、停滞か、それとも脱出か。ビートルズがかつて見せたシュールな違和感を、現代の孤独へと鮮やかにコンバートしてみせた。前作の輝きから一転、影の中に潜む真理を抉り出した『Today and Tomorrow』。2026年琴吹羽音がまたも仕掛ける強烈なEP”不穏なマスターピース”がここに完成した。
透明感のある高音から深みのある低音まで、楽曲ごとに表情を変える「変幻自在の歌声」が特徴。歌唱のみならずDTM、イラスト、Webデザインまで自ら手がけるマルチクリエイターであり、ジャンルの枠に捉われないカラフルな旋律で独自の世界観を展開している。その正体は謎に包まれている一方、7thアルバム『Slow and Then』収録「Magical Parade Scramble」のMVや一部SNSではビジュアルを惜し気もなく披露するなど、ミステリアスな枠に留まらない柔軟な発信も魅力。多趣味でフランクな人柄を覗かせるSNSでの交流も精力的に行っており、アーティストとしての深淵さと、隣人のような親しみやすさを併せ持つ稀有な存在。
Red Lamp Entertainment