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2023年に3rdアルバム”Loves & Cults” を発表し、復活を果たしたyahyel。アルバムタイトルを冠した東名阪ツアーを成功させ、バンドとしての音像をより生々しく進化させた姿は、幼年期を超えた、共同体としての成熟を感じさせるものとなった。
愛と狂信という言葉を対に立てることで、対岸の人間との類似性を示し、時代の虚しさと希望を暗示したアルバムの後、テーマは”新しい形の共存”へと向かっていく。不確かなまま、個々のまま、我々はどのようにして共存し、対話への道筋を見出すのか。我々は、それぞれの曖昧さと対峙し、見つめ直すことができるのか?
かつて、古今東西のベースミュージックを吸収した、”無機質”とまで形容される削ぎ落とされた音像が特徴だったバンドは、演奏という肉体性をもって、より自由で血の通ったyahyelとしか形容できないロックを定義した。本作は、ダブ、ミニマルミュージック、AORなどからの影響も見て取れるように、それぞれメンバーがそれぞれの現場から持ち寄った要素が更に詰め込まれている。
何かを断ち落とすための変化ではなく、拾っていくための変化。”SALVAGED(遺されたものを引き上げる)”という言葉をタイトルにしたEPは、1stアルバム”Flesh and Blood” の楽曲群を再編集することで、次の新たなダイナミズムと進化の兆しを探す、バンドとしての軌跡が詰まっている。