Lyric

君が吊るした　軒下の夢

揺れるたびに　想いを詠（うた）う

風が触れたら　そっと響いて

忘れかけた　夏を運ぶ

窓辺のカーテン　優しく踊る

そのリズムに　身を任せたまま

思い出が　風に乗って

胸の奥を　撫でてゆく

照らす陽射しが　まぶしくて

君と笑った　あの日を映す

隣で揺れる　てるてる坊主

晴れを願う　声が愛しい

鳴り響け　僕の音で

君の寂しさを　そっと癒せたら

季節（とき）が過ぎて　忘れられても

この空の下　ただ待ってる

ねぇ　夏だけじゃなくていい

そばにいさせてよ　その窓辺に

風の中で　歌い続ける

君の世界に　居場所をくれたら

夜の静けさ　しんと降りて

月に照らされ　想いが揺れる

君が泣いた　部屋の隅でも

気づかれぬよう　そっと鳴らす

「平気だよ」って　強がる声も

聞こえてたよ　風といっしょに

ガラス越し　ただ見守って

何もできずに　揺れていた

冷えた風が　秋を運び

誰もいない　庭に一人

隣にいた　てるてる坊主も

箱の中で　眠りについた

鳴り響け　僕の声が

君の記憶に　まだ残ってたら

たとえ夏の　象徴（しるし）だとしても

心の中で　生きていたい

ねぇ　時々でいいからさ

想い出してよ　あの音色（ねいろ）を

風の中で　名もなき僕が

君を想って　歌ってることを

四季が巡るたび　また会えるかな

ガラスの体で　祈るように鳴る

ただの飾りで　終わらないように

“君のそば”が　僕の意味

鳴り響け　風が吹いたら

過去も未来も　ひとつに変えて

風鈴として　生まれたけれど

“君のために”　鳴りたかった

ねぇ　季節なんて超えて

窓の外から　ずっと見ていたい

風の中で　生きていたって

君の心に　揺れていたい