下北ライフのジャケット写真

歌詞

未来の歌 (feat. Shinobicious a.k.a enya66)

CHIN-HURTZ, KENTAKKU

(CHIN-HURTZ)

少し先の話をしよう

子供達の夢かき集めよう

おもちゃ箱から飛びだす

ターンテーブル

いじってもいいが針折るなよ!

折ったら弁償な!

小中高のガキの小遣いじゃ

無理だわな!じゃどうだい?

食器洗いを三日間

針はそんな安かないぜまあでも

暇つぶしに俺のラップ!

聴かしてやるぜ!

これにかけちゃなかなかなもんさ

飢えているんだ。今でもラップで

毎週リサイタルやるから来てくれ

そうあの日誓った無限の彼方

にいるのさ。チンタック、夢の中

時は流れてもブレねーもんだな

やっぱ飛んで行けるよ!

シャランランラン

(フック)

みんなで明るい未来語ろう!

嘘でもいいから浮かべよう!

言ってみろよ!いいじゃん!

音に乗せてチェケラッナウ

(KENTAKKU)

あじとで過ごした下北ライフ

から地元に帰って数年が経ち

二十歳過ぎくらいぶりに

町田で過ごしてる育った街並み

「いつかはここに帰る」

昭和生まれ長男坊の発想

親孝行、そんなんじゃないが

孫連れてくから会って話そう

かーちゃんがばーちゃんになり

俺らも親父の背中見せる番に

ちゃんと見てるか?

おチビちゃん世代

好きなこと続けろよ、それ次第

夢中になってりゃ何か起きる

気楽に進めるのがコツ

後ろみてもしょうがない

前見て行こう

どこまでも続く俺らの日を

(フック)

みんなで明るい未来語ろう!

嘘でもいいから浮かべよう!

言ってみろよ!いいじゃん!

音に乗せてチェケラッナウ

(Shinobicious a.k.a enya66)

見つけて良かった始めて良かった

あの頃 都内は週8でClub

目の前に浮かぶ 色んな記憶

暗中模索 頼りはHIPHOP

その響の中 ひたすら泳いだ

わずかな所持金で牛丼食った

かけがえのない仲間との

出会いや別れを繰り返し

言葉を産んだ

20xx 音の旅

笑ってる家族 俺のとなり

朝には草木に水をやり

精神的 豊かな暮らし

昼にはジャリ達 森に行こう

耳を澄ますと風の音

夜には一服 バースをキックする

掴み取った 俺なりの栄光

(フック)

みんなで明るい未来語ろう!

嘘でもいいから浮かべよう!

言ってみろよ!いいじゃん!

音に乗せてチェケラッナウ

  • 作詞

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU, Shinobicious a.k.a enya66

  • 作曲

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU, Shinobicious a.k.a enya66

  • プロデューサー

    Arch Beats

下北ライフのジャケット写真

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下北ライフ

CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 1

    イントロ -メテオからの紹介-

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 2

    ハイチュウマン

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 3

    無限の彼方に

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 4

    ワンピース (feat. DEJI)

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 5

    下北ライフ (feat. SMOKIN' ACE)

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 6

    ネバネバ

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 7

    究極魔法 (Remix)

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 8

    あじと (feat. METEOR)

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 9

    交通事故に気をつけろ!

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 10

    悪夢 (feat. Ceeman)

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 11

    シズメタマエ (feat. Dali Tha Art)

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • ⚫︎

    未来の歌 (feat. Shinobicious a.k.a enya66)

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

  • 13

    アウトロ -いつぞやの話-

    CHIN-HURTZ, KENTAKKU

(Recommend by DJ H!ROKi)
 「下北ライフ」という言葉を聞いて、どんな情景を思い浮かべるだろうか。昼夜を問わず、若者を中心にファッションや音楽など様々な文化芸術に興味関心をもつ人々が集い、渋谷や新宿など都心の主要なエリアとのアクセスも良い下北沢での暮らしは、たくさんの出会いや刺激、そして夢や希望に溢れていて、きっと楽しいに違いない。自分も含め、下北沢に住んだことのない人の多くは、おそらくこのようなイメージを抱くのではないかと思う。本作の主人公であるラッパーのCHIN-HURTZとKENTAKKUの2人は、アルバムリリース時点(2023年4月)では実際に下北沢で暮らしているが、当事者である彼らにとっての「下北ライフ」とは、一体どのようなものなのだろう。

 この問いの答えを探すには、やはりアルバムタイトル曲である5曲目「下北ライフ」を聴くのが手っ取り早い。最初に登場するCHIN-HURTZのリリックでは、駅前の再開発といった街の変化や、あるいは他の街からやって来る仲間と遊ぶ様子などが描写されているが、彼はバースの最後をこのような言葉で締め括っている。

駅前にはバンドマンがたむろする 打ち上げか?俺も20代はあんなだった 「マジだりい」とか思い、そこを去った (CHIN-HURTZ)

 駅前のバンドマン達は、一般的に思い描く下北沢の住人そのものだが、CHIN-HURTZはその若者達と距離を置こうとしている。「俺も20代はあんなだった」と自覚しているように、彼もバンドマン達と同じく自分のやりたいことがあり、そして未来への夢や希望を持ってこの街に来たはずである。だが、今は同じ境遇の人に対して親近感を抱けなくなってしまっている。また、KLOVAL RECORDSの代表であるSMOKIN’ ACEは、3バース目に以下のように歌っている。

当たり前のように過ごす時間も 限りあると知り景色変わる 普段と (SMOKIN’ ACE)

時間は無慈悲感じてる 日に日に (SMOKIN’ ACE)

 彼は町田からやって来て、レーベルメイトである二人と共に下北沢で過ごす様子を歌う中で、この街で二人と一緒に過ごす時間があまり残されていないこと、そして時の流れの残酷さについて触れている。当初は夢や希望を抱いて始まったはずの「下北ライフ」も、年齢を重ねていくにつれ、自分自身を取り巻く環境は変わっていくし、音楽活動や生活を維持するための経済的な負担も大きいし、実家に残る両親の問題などにも直面するだろう。彼ら二人に限らず、皆ここでの暮らしをずっと続けられる訳ではないのだ。一見すると楽しい日々が綴られているようだが、音楽に夢を抱いて下北沢での暮らしを続けてきた40歳前後のリアルもしっかりと描かれている。フックでは「俺らの下北ライフ」と歌っているように、これがCHIN-HURTZとKENTAKKUにとっての「下北ライフ」なのだ。

 順番は前後するが、3曲目の「無限の彼方に」では、実は二人とも下北沢を去る予定であること、また本作の意味が直接的に示されている。

めくるめく季節はひとつずつ無くなっていく (CHIN-HURTZ)

「想い出」と書いたアルバムを作ろうぜ あと一年で 俺とお前の魂の結晶を残そうぜ (CHIN-HURTZ)

 二人がこの街で暮らし、そして活動を共にした日々が、彼らの人生の中で最も充実し、楽しかった時期であったことが窺える。そしてリリックにあるとおり、「下北ライフ」はまさに彼らの「アルバム」なのだ。配信音源の最終トラックとなる「アウトロ -いつぞやの話-」では、彼らの生活の断片をそのまま切り取ったような二人の会話が収録されているのだが、その会話とともに、本作の中でも最もメロウでエモーショナルなビートが流れる。最初は会話の内容とビートのギャップに違和感を覚えたが、アルバムの真の意味が分かると印象が全く変わり、何気ない会話だからこそ胸に迫るものがあった。それぞれ年齢を重ねたとき、二人はどのような気持ちでこのアウトロを聴くのだろうか。

 このアルバムを完成させることによって、彼らは下北沢での暮らしに終止符を打つことができるのだと思う。アルバム終盤の「未来の歌」を聴けば、彼らが既に新たな生活への前向きな一歩を踏み出していることが分かるだろう。自分が理想とする将来像を明るくストレートに描いたこの曲は、数あるCHIN-HURTZの作品の中でも最も心に響く楽曲だ。

 アルバムには下北ライフで出会ったラッパーも数多く登場するが、それぞれ個性に満ちた聴き応えのあるバースを聴かせてくれる。また、全楽曲のビートを制作し、タイプが全く異なる二人がタッグを組んだ作品を見事にまとめ上げたArch Beatsの手腕に注目してほしい。ヒップホップの根源的な魅力と優れたバランス感覚を備えた彼のビートの数々を聴くだけでも十分に価値のある作品だ。そして、アルバムの主役はもちろんCHIN-HURTZとKENTAKKUの二人である。とくにKENTAKKUはこの3年間、METEOR & CHIN-HURTZの諸作品での客演やソロ音源の発表など、コロナ禍においても精力的に活動を続けてきた。リリースのスピード感が重視された作品群での客演や個人での制作とは異なり、CHIN-HURTZとArch Beatsという信頼のおける仲間と共に一曲一曲とじっくり向き合った本作は、彼にとってこれまでのキャリアの集大成と言えるだろう。まだ荒削りな部分も多く残るが、「下北ライフ」を経た彼が今後どのような変化を見せるのか、とても楽しみだ。

 ここで取り上げた楽曲だけでなく、本作にはこれまでのCHIN-HURTZ作品の流れを汲んだバラエティ豊かなトピックの楽曲も収録されている。ときにニヤリとしながら、ときに自分自身の人生と重ねながら、二人と一緒に「下北ライフ」をエンジョイしよう

アーティスト情報

KLOVAL RECORDS

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