

深川の宵 提灯の列
あなたは金魚の 水槽の方へ
私は五十円 板の菓子を買い
縁台の隅に 浴衣で座る
このごろ話に 三度目の名前
会社の後輩の 明るい子の名
訊けば済むのか 済まないのかを
数えるかわりに 針を取った
桜の輪郭 浮いた薄板
際を攻めるほど 形は近い
問い詰めるのと 同じ手つきで
粉を散らして 掘り進めてく
花びらの先 あと一息で
パキッと真っ二つ 一枚目の板
ゴム紐眼鏡の 主人が笑う
「嬢ちゃん それは 攻めすぎだ」と
全部を出そうと 際まで掘れば
形ごと割れる ものがあるのね
二枚目の板 息を浅くして
際の手前で 針を置くのよ
残した細みを 指の腹で払う
ひとりでに抜ける 桜の形
「取れた?」と戻る あなたに見せて
景品の笛は 要らないと言う
帰りの夜道 桜は紙に
問いは手前の 位置のまま持つ
攻めない針の 置き場所ひとつ
祭りの砂糖が 指に残る
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

Akemi の“型抜きのボーダーライン”を
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型抜きのボーダーライン
Akemi
「型抜きのボーダーライン」は、縁日の型抜きの針先に、訊くか訊かないかの境界線を重ねて描いたミディアムテンポのシティポップ。
深川の宵の提灯の列、金魚の水槽へ向かうあなた、五十円の薄い菓子の板、縁台の隅の浴衣――三度目に出てきた名前を数える代わりに針を取る、祭りの夜の手元を映し出す。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、全部を確かめようと際まで掘れば形ごと割れるものがあると知り、問いを手前の位置のまま持つことを選ぶ大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、夏祭りの宵、露店の菓子、恋愛の駆け引きを描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
一枚目は際を攻めすぎて真っ二つ、二枚目は息を浅くして際の手前で針を置く。
すると桜の形はひとりでに抜ける――攻めない針の置き場所を自分で決める夜を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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