ニードル・レスポンスのジャケット写真

歌詞

ニードル・レスポンス

Akemi

琥珀色(アンバー)のグラス越し 揺れる計器(メーター)の針

路地裏の店 真空管(チューブ)の低いノイズ

あなたはいつもカウンターの端で

誰とも目を合わせずページをめくる

雨宿りの客で席が詰まった夜

一つ分だけ縮まった隙間

親指と人差し指だけで摘むカップ

狂いのないその指先を見ていた

無音の信号(シグナル)を拾うように

私の中の針が微かに震え出す

危険域(レッドゾーン)にはまだ届かないけれど

あなたの気配だけで音量(ボリューム)が回っていく

安全な「見る側」でいたかったのに

「お隣の方のでは」とマスターが差し出した

冷たい金属 片眼のルーペ

「お忘れですよ」――その一言を言えば

名前のない自由な時間を 壊してしまう

団地の壁越し 足音を読んだあの頃のように

近づくほどに 私は言葉を失っていく

何事もなく店を出ると決めたのに

あなたのカップの残り香を探してしまう

電源を切れば 針は零(ゼロ)に戻るはず

なのに私の中の目盛りは揺れたまま

危険域(レッドゾーン)の手前で息を止めて

あなたのいない夜道へと踏み出す

言葉を飲み込んだ重さだけを連れて

コートのポケットの底 沈んだルーペ

交わらなかった境界線(ボーダー)の向こう側

冷たいはずの金属を握りしめる

私の指先だけが まだ微熱を帯びている

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

ニードル・レスポンスのジャケット写真

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    ニードル・レスポンス

    Akemi

「ニードル・レスポンス」は、路地裏のジャズ喫茶のカウンターで、名前も知らない相手の気配だけで心の針が振れ始める距離の縮まりを描いたミディアムテンポのシティポップ。
琥珀色のグラス越しに揺れるVUメーターの針、真空管の低いノイズ、雨宿りの客で一つ分だけ縮まった隣との距離、そしてカウンターに残された冷たい金属のルーペ――安全な「見る側」でいたはずの自分の内側で、音量が静かに回り始める夜の心象風景を映し出す。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、名前のない自由を壊したくないからこそ言葉を飲み込み、それでも相手の残り香を探してしまう自分に気づいている大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、都会の夜、バーカウンター、真空管の灯り、名前のない関係の手前にある沈黙を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

「お忘れですよ」と言えば、この匿名の時間は終わる。言わなかったルーペをポケットの底に沈めたまま、冷たいはずの金属だけが微熱を帯びている――そんな言葉にならない距離の揺れを描いた楽曲。

Produced by nanayon music.

アーティスト情報

  • Akemi

    1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。

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