工房ムジカ、令和六年夏。空、鈍色。天気、雷雨。のジャケット写真

歌詞

朗読・27年前 (Live at 工房ムジカ 2024.07.20)

鈴木 諭

人にはそれぞれ、一番古い記憶がある。

私のそれは、5歳。夏の夜。

その後に幾度と無く目にする事になる、父と母そして婆さんを交えた激しい喧嘩。

小さな私を抱え、白い軽自動車の後部座席に乗り込む母。

車を蹴りつけて怒鳴る父。

止めに入る婆さん。

揺れる。揺れる。揺れる。

車が揺れる。

この時の揺れを、私は今でも体で覚えている。そして思い出すと、無性に怖くなるのだ。

怖くて怖くて、しょうがなくなるのだ。

何故に、子供の前でやらなければいけなかったのか。責めるように考えていた時期もあった。

だが、今は違う。

27年前のこの夜が在ったから、物心ついた時から絵を描いていたのだと。

何かを創っていたのだと。

良かった。本当に良かった。

怒鳴っていた父に感謝します。

泣いていた母に感謝します。

気難しかった婆さんに感謝します。

小さ過ぎて何も覚えてない妹に感謝します。

27年前の私に言いたいんです。

あの怖い怖い夜が、あって良かったんだと。

  • 作詞者

    鈴木 諭

  • 作曲者

    鈴木 諭

  • ミキシングエンジニア

    鈴木 諭

  • マスタリングエンジニア

    鈴木 諭

  • ギター

    鈴木 諭

  • ボーカル

    鈴木 諭

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2024年7月20日に工房ムジカにて行った、初・独演会『27年前の私に送る秋田の詩たち。』の模様を全編音源化。当日は酷い雷雨。演出かのように入り込む雨と雷の音。ライブの内容も圧巻。
店主・葛原りょう氏はライブ後に、以下のように書き残している。
「こんなに全身血の気の全力で引くライブは初めてだ。
圧倒的な虚無感。語りの冴えが痛ましく、リアルの極み。
月曜日の雪。犬の川。亀の串刺し、ばあちゃんの遺影。
上田病院。アトピーの歌。怒涛のギターの畳みかけ。
言い尽くせぬライブだった。
たしかに梅雨明けの日暮里は雪国だった。」
筆舌に尽くしきれぬ地獄の世界、心して体感して貰いたい。
いざ、地獄の世界へ。

アーティスト情報

哥処 墨林庵

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