体温のドッグタグのジャケット写真

歌詞

体温のドッグタグ

Akemi

助手席の窓に 頬をあずける

246(ルート)の夜 F.E.N.流れる

あなたの胸で 銀の札が揺れる

鎖が鳴るたび 横目で追ってる

エンジンを切れば 虫の音だけ

指を伸ばしかけ 半分で止める

冷えた二枚は ゴム縁で眠る

触れれば境を 越えてしまう

冷たい札を 手のひらに握る

鎖をたぐれば 体温が移る

フェンスの外で 見ていた向こう

今は手の中 一度だけ光る

顔を寄せれば 刻印が読める

名前と番号 指が辿ってく

読めてしまえば あなたを名指す

その一歩だけ まだ踏み込まない

金網に指を 絡めた夕暮れ

厚木の空を ジェットが裂く

入れない街を 見上げてた子供

あの目のままで 指が伸びてる

温んだ札を 胸元へ返す

鎖をすべらせ 体温を置いて

「読めた?」と低く あなたが訊くけど

フェンスの内は 夜にほどける

シャツの下へと 札を沈める

指に残った 鈍い温もり

ドアに手をかけ 夜気を吸い込む

読めた名前は まだ言わずに置く

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

体温のドッグタグのジャケット写真

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    体温のドッグタグ

    Akemi

「体温のドッグタグ」は、基地のフェンス越しに眺めて育った「向こう側」の断片に、深夜の車内で一度だけ触れる夜を描いたミディアムテンポのシティポップ。
基地沿いの国道に停めた左ハンドルの車、カーラジオから流れるF.E.N.の英語、胸元で揺れる銀の認識票、そして金網に指を絡めて見上げた子供の頃の記憶――手のひらで体温に温まる金属が、越えられなかった境界とのいまの距離を静かに浮かび上がらせる。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、刻印された名前を読めてもなお、呼べば境界を越えてしまうと知っていて、温もりだけを受け取る大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、都会の夜、基地のある街の空気、触れそうで触れない距離感を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

冷たい金属が手のなかで温まり、やがて胸元へ返されてまた冷えていく、その温度のサイクル。
読み取った名前を声にはせず、指に残った熱だけを連れて夜気に出てゆく――そんな名前を持たない距離の縮まりを描いた楽曲。
Produced by nanayon music.

アーティスト情報

nanayon music

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