未送の封蝋のジャケット写真

歌詞

未送の封蝋

Akemi

神泉の窓 夜が薄く積もる

便箋を畳む 四つに折る癖

引き出しの底から 封蝋の棒

宛名の上で 指先を冷やす

火を一筋 棒の先へ寄せる

蝋の香り立つ 息を浅くして

雫が落ちる前 言葉を選ぶ

便箋の白 熱を持たないまま

一滴 落ちる音はないけれど

紙の上に 赤が広がって

判子握る指 前へ傾く

押せば形が 固まってしまうの

蝋はもう冷めていく 琥珀の縁

判子の重さ 手のひらに残る

「来月名古屋」 彼の声が遠い

壁の時計 秒が一つ動く

大和の家 母は手紙を読む

一晩寝かせた 封の前で

言葉が固まる 時間を計る

私の手は 母と同じ角度

一滴 冷めて琥珀の島

紙の上で 形を保つけれど

判子を引く 指を止めたまま

押さずにおけば 形は問わない

引き出しに 届ける可能性

封じない夜 封じない形で

窓の隙間に 夜気を吸い込む

「届けない」とは まだ書かない私

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

未送の封蝋のジャケット写真

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    未送の封蝋

    Akemi

「未送の封蝋」は、別れの予感を前に、書き終えた便箋を封じるか封じないか、その境界に立つ夜を描いたミディアムテンポのシティポップ。
神泉の窓辺、四つに畳まれた便箋、棒の先に寄せた一筋の火、紙の上に広がる琥珀の縁、そして指先を止めたままの判子――静かに冷えていく蝋の温度が、押せば確定してしまう関係の輪郭を浮かび上がらせる。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、書いた言葉を確定させるか保留するか、自分の手の角度ひとつで境界を引き直す大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやアーバン・ポップが持っていた、深夜の机、手紙、母から受け継いだ静かな儀式を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

火と蝋と判子――五段階のどこで止めるかを自分で決める指先。
押さずにおけば形は問われないまま、夜は届ける可能性だけを引き出しに残す――そんな封じない選択を選び抜いた大人のためらいを描いた楽曲。
Produced by nanayon music.

アーティスト情報

  • Akemi

    1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。

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