

本棚の整理 秋の夜長に
借りたままだった 一冊の文庫
見返しに残る 薄い名字
返す宛てなら 去年消えた
ところどころに 鉛筆の線
定規を使わず 波打つ引き方
力の入る 場所だけ濃くて
あなたの止まった 行を辿れる
消せば私だけの 一冊になる
消さずに読めば 二人ぶんの本
引き出しの奥の 白い消しゴムを
出して 卓の上 転がしたまま
最後の章の 私の好みの
一番の行に 線がなかった
同じ本でも 止まる場所が
違う二人で 読んでいたのね
跡を消しても 借りた日は消えない
上書きしても 線は透けて出る
だから決めたの 秋の夜のうち
線は消さない 私も引かない
波打つ線と 最終章まで
読み終える頃 夜が深くなる
濃い線の行で 一度だけ止まり
あなたの読み方を なぞって閉じる
消しゴムは戻す 引き出しの奥
借りものだった 一冊を立てる
私の背表紙の 列の途中に
波打つ線ごと 秋の蔵書
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

Akemi の“鉛筆のパッセージ”を
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- ⚫︎
鉛筆のパッセージ
Akemi
「鉛筆のパッセージ」は、借りたまま返せなくなった一冊の文庫と、そこに残る鉛筆の線を描いたミディアムテンポのシティポップ。
秋の夜長の本棚の整理、見返しに残る薄い名字、定規を使わない波打つ傍線、引き出しの奥の白い消しゴム――同じ本を違う場所で止まりながら読んでいた二人の距離が、頁の上に静かに浮かび上がる。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、跡を消して自分だけの一冊にするのでも、上から自分の線を重ねるのでもなく、残った線をそのまま蔵書に加える大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、秋の夜、読書、部屋の空気を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
濃い線の行で一度だけ止まり、あなたの読み方をなぞって本を閉じる。
線は消さない、私も引かない――その決め方ひとつで喪失を蔵書に変える夜を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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nanayon music



