

代々木上原 西日の窓を
押し上げる音 軋む網戸
軒に残した 硝子(ガラス)の風鈴
夏の終わりを まだ鳴らしてる
夜店であなたが 選んだ一個
「鳴るものがあれば 黙っていられる」
短冊の色は とうに抜けて
糸も陽に灼けて 縒りが解けそう
チリンと一度 残暑の風が
過ぎた夏ごと 軒を揺らす
伸ばした指が 宙で止まる
まだいる気がして 聞き違えただけ
井の頭通り 暮れてゆく坂
風が止めば 軒は無音に戻る
椀の中の舌 指でつまんで
鳴らすか鳴らさぬか 私が決める
鶴間の縁側 蚊遣りの煙
風で鳴る物を ずっと聞いてた
近づくほどに 静かになる耳
あの夏を遠く 今の風を聞く
チリンと止んで 糸をほどけば
過ぎた夏ごと 手のひらに降りる
椀を伏せれば 軒は空になる
返す相手は もういない夕べ
桐の箱の底 短冊を畳む
灼けた紙の角 指が一度なぞる
「持っていって」とは 言わずに終えて
そっと蓋を閉じる 硝子(ガラス)は鳴らぬまま
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

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残暑のウィンドベル
Akemi
「残暑のウィンドベル」は、ひと夏で名前のつかないまま離れた人の残り香を、軒に吊るしたガラスの風鈴の音に重ねて描いたミディアムテンポのシティポップ。
代々木上原の西日が射す窓辺、彼が夜店で選んだ風鈴、色の抜けた短冊、灼けてほどけかけた糸、そして残暑の風がもう一度だけ鳴らす澄んだ一鳴り――過ぎた夏の音をまだ軒に残していた部屋の空気が、終わらせたいのに終わらせきれない余韻を静かに浮かび上がらせる。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、鳴り続ける音で夏を引き延ばすのではなく、その一鳴りを「まだいる」と聞き違えながらも、いつ鳴らすかを自分の指で決めようとする大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、都会の夏の終わり、軒先の風物詩、夕暮れの帰り道の湿度感を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
椀の中の舌を指でつまみ、聞き違えた音をそっと閉じて、糸をほどき桐の箱にしまう。
「持っていって」とは言わずに蓋を閉じ、過ぎた夏の余韻を自分の手に取り戻す――そんな名付けない別れの夕暮れを描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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