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多様な音を交差させ、「共存」の響きを生み出すのは、サックス・
ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・ピアノ・ダブルベース・ドラム
スで構成されるオーバル・サウンド・オーケストラ。
国際的な作曲コンペティションで高く評価されるコンポーザー率い
る音楽コレクティヴが、日常の断片にユーモアをにじませつつ、音
の円環を静かに広げ、隔たりを溶いていく。
── 現代ジャズの新たな地平へ
サックス奏者・作曲家 | 初リーダーアルバム収録の楽曲が、世界最大規模の作曲コンペティション International Songwriting Competition での評価を受けたことを機に渡米。ニューヨークで多様な音と出会い、絶え間ない吸収と発信が自身の音楽にさらなる広がりをもたらす。 帰国後はジャズを軸に、国内の著名ミュージシャンをはじめ、多彩なプレイヤーとの共演を重ねながら制作活動にも力を注いでいる。 2018年にはブルックリンで録音した『BORDERLESS』を発表。ジャンルを越えた音楽性が注目される。2021年の『UNCHANGING』ではストリングスとの融合により、現代ジャズの可能性を拡張した。 新作『COEXISTENCE』では、作曲と即興演奏の両面から、メロディー・リズム・ハーモニーそれぞれの角度に多彩なアプローチを加えながら、「日常から立ち上がる風景」「分断・孤独・共存」「構築と自由」といった社会的なテーマに焦点を当てている。 音楽を自己表現の枠を超え、人や社会との関係そのものを描き出す試みを重ねている。 これまでの活動は、Yahoo!ニュース、CDJournal、JAZZ JAPAN、JAZZ LIFEなど各種メディアで取り上げられている。
『OVAL SOUND ORCHESTRA』(以下『OSO』)は、ジャズの即興性とクラシックの構築性を内包しながらも、その枠に収まりきらない。ジャンルという境界を越え、さらには「音楽と人」を社会というフィルターを通してみつめながら、紡ぎ出す音で異なるものを円環につつみ、「共にあること」の意義を静かに、しかし力強く問いかけている。 その姿勢は、坂本龍一の作品、とりわけ『async』におけるアプローチと呼応する。彼は音を素材として扱い、人・時間・自然との関係性を音楽で問い直した。 『OSO』もまた、日常の断片を写実的に切り取りながら、音楽の既存の枠組みに対する深い敬意と同時に、それを更新しうる手法を追求している点で、同様に「音と世界」の新しい関係を模索している。 また、エスペランサ・スポルディングがジャズを基軸に、形式や枠組みにとらわれることなく社会や精神性に切り込むような作品を発信しているように、このアンサンブルも、分断が進む現代において、差異を前提に境界を越えて他者と対話し、共鳴する可能性を音で探っている。 響きはリスナーとともに育まれる風景。国内外を問わず、共に感じ、考える輪が広がっていくことを願っている。
High Low Sound