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ドイツの画家、カスパール・ダヴィド・フリードリヒ(1774~1840)の描く風景画は、それまでの西洋絵画とは異なり、風景が主役である。人物が登場しても、その人物は鑑賞者に背を向けて、風景にひきこまれるように、ただ佇んでいる。彼等の存在が、私たちをも風景の鑑賞者にし、時空を超えて私たちを風景の中へといざなう。フリードリヒの描く風景は、まるで意志を持つように迫ってくる。孤独にさすらう旅人の面前に広がるのは、人が寄せ付けるのを拒むように厳しく切り立った山々、息をのむ雲海。行けども、行けども終わらない旅を予感させるこの光景は、孤独と自然への畏敬と、果てしない旅愁をかきたてる。音楽はシューベルトの《さすらい人》の旋律を引用しながら、自然と向き合う画家の心の旅をたどっていく。
次郎丸智希 作曲家・ピアニスト・朗読家。福岡出身。大阪大学文学部卒(音楽学)、同大学院修了(ドイツ文学)、神戸大学大学院人間発達環境学研究科・博士課程修了(人間表現専攻)博士(学術)。第17回万葉の歌音楽祭・大賞、第28回TIAA全日本作曲家コンクール(重唱・合唱の部)第1位受賞。文学と音楽両面からアプローチする独自の作風で多くの作品を発表。現在、フェリス女学院大学・グローバル教養学部・文化表現学科・音楽身体表現専攻・准教授、お茶の水女子大学講師。主な作品に、独唱・重唱・合唱のための《百人一首によるうた》《万葉名歌集》、カンタータ《まかる空~竹取物語より~》、ピアノ4手連弾のための《MUSEUM》他多数。研究論文『武満徹作品における音楽語法の変遷―SEAモティーフを中心に―』、『武満徹作品における引用~《夢の引用―Say sea, take me!―》を中心に~』『歌曲の実践と文芸』『武満徹の音楽語法「SEAモティーフ」の萌芽と生成 ~《鳥は星形の庭に降りる(1977)》と《遠い呼び声の彼方へ!(1980)》の比較を通して~』