未明のトースターのジャケット写真

歌詞

未明のトースター

Akemi

三軒茶屋の 朝の窓辺に

二枚のパンを すべり込ませる

レバーを押せば カチリと沈む

246の 音が遠い

ソファに残した 昨夜の毛布

畳まないまま 窓を細く開ける

「朝は弱いんだ」と 寝息を立てて

二人の名は まだ言わないまま

焼ける匂いが 立ちのぼる間に

狐色へと ふちが変わる

ポンと跳ね上がる 二枚のトースト

数えて差した 指に気づく

二つ並んだ 投入口の窪み

いつから二枚 焼く手になった

皿へ滑らせ バターを探す

彼の方へは 置き直さない

国道十六号 団地の朝は

ひとつのカップで 足りていた窓

東京に出ても 一枚の癖

塞いだはずの 穴が温かい

焦げる手前で レバーを上げる

狐色のまま 時を止める

ポンと鳴る前に 彼の皿へ

名前は付けずに 一枚寄せる

「あなたの分」とは 口にしないで

バターの角を 端まで延ばす

焦がさず寄せた 狐色の朝

名前のいらない 二枚の湯気

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

未明のトースターのジャケット写真

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    未明のトースター

    Akemi

「未明のトースター」は、泊めた彼の朝に無意識で二枚のパンを焼いてしまう自覚の瞬間を描いたミディアムテンポのシティポップ。
三軒茶屋の秋の窓辺、押し下げるトースターのレバー、立ちのぼる湯気、狐色へ変わるパンの縁、ポンと跳ね上がる二枚のトースト、そして彼の皿へ黙って寄せる一枚――一人分で暮らしてきた台所の空気が、名前をつけないまま温度だけを受け取る朝の心象を静かに浮かび上がらせる。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、体が先に選んだ二人分を音が後から知らせても、その関係に名前をつけず、焦がさない手前で距離を自分の手で決める大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、都会の秋の朝、台所の生活音、名前のない関係の温度を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

焦げる手前でレバーを上げ、「あなたの分」とは口にせず、バターを端まで延ばして一枚を彼の皿へ寄せる。
塞いだはずの二つ目の穴が温かいと気づきながら、名前のいらない二枚の湯気を受け取る――そんな自覚の朝を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.

アーティスト情報

  • Akemi

    1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。

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