表現者のジャケット写真

歌詞

表現者

上田真育

静かすぎる夜の端っこで

うるさいのは他人の雑音だけ

耳を塞いでも消せない視界

観察眼と毒舌、それだけ持ってここまで来た

SNSで咲いたつもりか?

裏じゃバイト、見りゃわかる

“勝ち組”なんて騙る前に

借金リストでも晒してこい

ブランドも車も借りもんばっか

それが夢? 笑わせんな

曲がった背中で語る「自信」

信じる奴の目が曲がる

磨け、飾る前に

承認欲求よりも、沈黙に勝て

他人の理想なんざ、知らんけど! (知らんけど! )

俺は、俺でしかねぇ

毒を吐いてるわけじゃねぇ

黙ってらんねぇだけだって

耳が痛いなら、塞いでくれ

この声は選ばれなかった傍のリアル

拍手はいらねぇ、称賛もいらねぇ

答えなんざ求めてねぇ

見てきた景色が違うなら

語り口が違って当然だろ?

「自分らしく」って 他人のコピペ

アイコンも口癖も同じ顔

「フリーランスです」って? はあ?

何者でもなさの、言い換えだろ

夢を語る画面の隣で

フェイクの財布がピカピカ光る

信じてるなら、それでいい

もっと静かに、信じてみろよ

誰かに届かなくても

言わなきゃ、自分にすら届かない

言葉で殴られても、言葉で返す

それしか知らねぇ

“表現者”って呼ぶには

軽すぎる言葉、多すぎる

映えるかどうか、そればっか気にして

中身ゼロの詩があふれてる

痛みも葛藤も「映え」なきゃ黙る?

それ、ただの観光パンフレット

本気の叫びってのは

エフェクトなんかに耐えられねぇ

だから俺は、むき出しで行く

毒じゃない、真実だけだ

媚びないだけで孤高になった

それが俺の「まっすぐ」ってやつ

賞も、称号も、スポットも

この声には似合わねぇ

目で見て 舌で語る

それが “俺の表現”

「なにがしたいの?」って訊かれたら

「生きてることを録音してる」って答える

誰かを黙らすより

自分が黙ってるほうがずっとキツい

嘘が日常を塗りつぶす中で

嘘ついたままの自分に一番ムカつく

だから削って削って

最後に残ったそれを吐いてる

数字が正義? は?

再生数に、魂売った自覚ある?

「伸びた」って? 中身は?

記憶に残んねぇもんばっかだろ

目立つために 嘘を盛って

「バズる」ってんなら沈んでるわ

誰かの好みに成形されるくらいなら

歪んだままで 音にしてたい

拍手なんて要らない

嘘つけないだけなんだよ

言葉にできないなら

心臓が空回ってる気がすんだ

再生数じゃなくて

誰か一人の心に刺されば それでいい

目で見て 舌で語る

それが俺のやり方だ

信号待ちのスーツのため息と

スマホに逃げる少年

どっちが自由かなんて知らねぇ

ただ、どっちも黙って耐えてた

この街で一番必要なのは

勇気じゃなくて「鈍さ」かもしれない

俺はまだ、感じちまう

だから、こうして音にしてる

「つながり」ばっか求める時代で

独りでいられねぇ奴が一番危うい

共感ばっか欲しがって

自分の言葉、言えないままか?

孤独が怖い? 逃げるな

沈黙の中に、立てるか?

俺は慣れてる

無視も誤解も。だから歌ってる

「ラッパー?」「詩人?」そのどっちでもねぇ

分類された瞬間、言葉は消毒される

俺がやってんのは“主張”じゃない、“抵抗”だ!

無音の海に放つ数秒だけの逆流な!

「知らなかった」?「気づかなかった」?

いつまで通用すんだ、その言い訳

手を汚した奴だけが悪じゃない

黙ってた奴の手も、ちゃんと汚れてる

沈黙はいつだって権力の味方なんだよ

見て見ぬフリが一番タチ悪い

黙るなら、せめて邪魔はすんな

時々、自分がわかんねぇ

正義ぶって何してんだって思う

書いた言葉に、追いつけてない

そんな自分が一番ムカつく

でも書く

痛みが“嘘”を超える瞬間が

たしかにあると信じてるから

叫びじゃなくて、囁きで救われる夜がある

炎じゃなくて、灯りで照らす言葉もある

誰かの部屋の片隅で

呼吸をちょっとだけ、楽にできるなら

それでいい

光じゃなくて

影を見てきた目で

今日も歌ってる

  • 作詞者

    上田真育

  • 作曲者

    上田真育

  • プロデューサー

    上田真育

  • グラフィックデザイン

    上田真育

  • ソングライター

    上田真育

  • プログラミング

    上田真育

表現者のジャケット写真

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    表現者

    上田真育

「言葉は、使い捨てられている──」
そんな感覚が、ずっと自分の中にあった。

バズるための言葉、
共感されるための言葉、
誰かの“理想”に合わせて加工された言葉。
それらが日々のタイムラインを埋め尽くすたびに、
本当に語るべき声が、遠のいていく気がした。

この曲で綴ったのは、
誰にも拍手されなくても、
誰にも見つからなくても、
それでもなお言葉にする意味について。

痛みも、矛盾も、迷いも、
取り繕わずにそのまま差し出すこと。
誰かの期待をなぞるのではなく、
自分自身の「表現」という行為に、真正面から向き合うこと。

評価や賞賛に依らず、
社会の喧騒をすり抜け、
この都市の片隅に灯る“本音”の火を、
絶やさず伝えていきたい。

沈黙のなかで光る声が、
きっとどこかで、誰かに届くと信じて──

-- 上田真育

アーティスト情報

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