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「物語と真実」――その言葉通り、s-o-a の音楽はただのメロディーやリズムに留まらず、深い感情や人間の内面に迫るような力強さを持っている。
2枚目のEP『tales and truth』は、彼らが紡ぎ出す4つの物語を通して、リスナーを内面的な旅へと誘う作品だ。
「白夜」
この曲は、夜が訪れない部屋で過ごす不安定な心情を描き出す。深い静けさと切なさに満ちた歌詞の中で、優しさを守ろうとする気持ちと、それがうまくいかない現実との間で揺れ動く感情が表現されている。突き刺さる冷たい空気と木漏れ日の香りの中で紡がれる、優しさと孤独の葛藤に、聴く者は強く引き込まれるだろう。
「羽の上の眠り姫 (ep ver.)」
眠り姫という幻想的なテーマを扱いながらも、実はそれが彼女自身の心の葛藤を象徴しているという深みがこの曲にはある。夜の静けさと月の光の中で、手を伸ばす先にある「言葉にならない感情」が歌詞として描かれ、軽快に跳ねるリズムの上で、聴く者の心を震わせる。
「.lovesong」
「誰かを愛する時 いつも胸が痛いよ」――その一言から始まるこの曲は、愛することへの矛盾と切なさを詩的に描いている。優しさと残酷さが交錯し、心の中での葛藤を隠しきれないままに突き進む様子を表現。ミニマルで不穏なサウンドから始まり、徐々に感情の高まりとともに激しく歪んだギターと荒々しいドラムが鳴り響き、リスナーを圧倒する。どんな我儘でも許される時間、今だけは全てを忘れようとする深い愛情が伝わる。
「クリムゾンの夜」
深い孤独とそれを乗り越えようとする強い意志が感じられるこの楽曲は、まさに夜の中で立ちすくむ心情を歌い上げている。主人公の「痛み」をしっかりと受け止め、星に願うシンプルな祈りに込められた深い意味が聴く者の胸を打つ。今は手が届かない距離にいる「あなた」へと想いを馳せる、その切実さが痛いほど伝わる。
『tales and truth』は、s-o-a の音楽の核心を感じさせる、より深く、より力強いEPだ。4曲それぞれが独自の物語を持ちながら、ひとつの大きなテーマへと収束していく。人間の内面を鋭く捉え、リスナーに強烈な感情を呼び起こすその音楽は、聴く者の心に確かな「真実」を残していく。
“愛”と“孤独”、そして“葛藤”の中で見つけた微かな希望――s-o-a は、まさにその真実を音楽で描いている。
s-o-a は、2019年に結成された日本のアコースティックユニットで、音楽の中心にあるのは、感情豊かで深みのある歌詞と繊細でありながら力強いサウンドだ。 蔭山と零は、両者ともに作詞・作曲を手掛け、シンプルでありながら感情を鋭く表現する楽曲を生み出している。 彼らの音楽には、孤独、愛、葛藤、そして希望といった普遍的なテーマが織り交ぜられ、リスナーに深い印象を残す。 音楽スタイルはアコースティックを基盤にしつつも、バンドサウンドやエレクトリックな要素を取り入れることで、柔軟に表現の幅を広げている。 ライブでは基本的にアコースティックギターを中心に演奏するが、型にはまらず、時にはバックバンドを加えるなど、自由なスタイルを追求している。 蔭山の歌詞は、しばしば内面の揺れや深い孤独感を描き出し、聴く者の心を強く引き込む。 零の描くテーマには愛、孤独、葛藤、そしてそれらの中に浮かぶ希望が多く、感情的かつ力強い楽曲を構築している。 二人の個性が音楽を通して絶妙に融合し、聴く者に強いメッセージを届けている。 ビジュアル面では、イラストレーションを担当するKuroiが、s-o-aの音楽の世界観を視覚的に表現。 シンプルながらも印象的なデザインは、音楽の深さとその力強さを見事に反映している。 s-o-a の音楽は、孤独と痛みを抱えながらも、その中で見つける希望の光を信じる強さを表現しており、聴く者に深い感情を呼び起こす。
ori-ori records