石の循環 -祈りと文化の始まりの詩-のジャケット写真

歌詞

石の循環 -祈りと文化の始まりの詩-

ラムダ

小さいころは 手を引かれて

石の輪の中 ただ立っていた

燃える火の熱も 祈りの言葉も

少しこわくて 目を閉じていた

今は自分の足で歩き

環状列石のまんなかに立つ

つないだ手のぬくもりごと

ここにいない人たちへ 祈りをあずける

輪にならぶ石 冷たい影

その下で眠る 誰かの名前を

私は知らない けれど今は

「ありがとう」と 胸の中で言える

土器の鼓動が 夜空を揺らし

細い歌声 星へと昇る

指と指 重ねたこの列の中

ひとりだけ強く 握る手がある

怖い場所じゃなくて

ここは続いてきた証なんだと

揺れる火に照らされて

やっと わかってきた

輪になって祈る 村のまんなかで

見えない手とも 手をつないでいる

石と火と歌が 過去と今を結びながら

明日の無事を 静かにたのむ

私たちはもう

ただ生きのびるだけじゃない

どう生きるかを選んでいる

火と輪のむらで

土を掘り下げた 竪穴住居

雨の夜も 風の夜も

真ん中の炉に 火をおこせば

子どもも年寄りも 息をひとつにする

土器に水と 木の実や肉

ぐつぐつ煮えて やわらかくなる

歯の弱い人にも 分けてあげられる

その笑顔まで 湯気に混ざってゆく

火があるから話せる

土器があるから分け合える

低い屋根の丸い闇で

心まで 近くなる

輪になって食べる 土間にすわり

一つの鍋を 笑い声で囲む

あたたかい蒸気が 梁をなでて消えていく

今日を生きたと 胸がうなずく

私たちはもう

ただ拾って食べるだけじゃない

手をかけて 守りあって

火と家をつくる

丘のはしっこ 白い貝塚

お母さんが言う ここに捨てなさい

家のそばをきれいにして

病の影を 近づけないように

白い殻のあいだから

古い骨や こわれた道具が見える

ここにもたしかに 生きた日々があり

笑い声ごと 土に帰っていく

輪になって祈り 家をかまえ

土器で煮て 貝殻を積む

ただのごみじゃない 毎日のしるしごと

神と祖先のそばへ そっと返す

私たちはいま

神と祖先とともに

安全で 清潔で

少し誇らしく 暮らしている

火はゆれ 煙はのぼり

石の輪は 黙って見ている

このむらの息づかいを

次の時代まで 渡していく

  • 作詞者

    Junya

  • 作曲者

    Junya

  • プロデューサー

    Junya

  • ボーカル

    ラムダ

石の循環 -祈りと文化の始まりの詩-のジャケット写真

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    石の循環 -祈りと文化の始まりの詩-

    ラムダ

日本史シリーズ第2弾「石の循環 -祈りと文化の始まりの詩-」。
舞台は縄文時代。環状列石に捧げられる祈り、竪穴住居で火を囲む家族の時間、土器で煮て分け合う食事、そして丘の端に積み重なる白い貝塚──そのひとつひとつを、当時を生きる女性の目線から丁寧に描き出した作品です。旧石器編の「生き延びるための炎」から一歩進み、この曲では「祈る」「守る」「分け合う」「記憶として残す」という“文化としての炎”にフォーカス。アートポップ×フォークのサウンドに、有機的なアコースティックギターと素朴なビート、土器の鼓動を思わせるリズムが溶け合い、どこか不思議であたたかい世界へと誘います。環状列石での祈りのシーンと、母と子、仲間たちの日常が対比しながらひとつの物語になっていく構成は、歴史ファンにも物語好きにも届くはずです。過去の日本を難しく語るのではなく、「ここにも確かに生きて、笑って、祈った人たちがいた」という感覚を、そっと手渡すような一曲としてお楽しみください。

アーティスト情報

Lambda Records

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