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壮大なスタジアム向けのアンセム(triumphant chorus)や劇的なキーチェンジ、そして空間を埋める電子音のパッド(synthesizer beds)を徹底的に焼き尽くし、英国北部の退屈な平日の午後をそのまま封じ込めた、極めて平熱なブリットポップ・インディーロックです。Oasisの初期作品が持っていた「何もない日常のリアル」をBPM90前後のルーズなシャッフルリズム(loose shuffle rhythm)で再現。高域の立ったトレブリーなエレキギター(wired trebly guitar)と、中低域を無骨に支えるベース、そしてヴァースでブラシの質感を僅かに残すコンプレッションの効いたスネアが、狭く乾いた部屋の空気感(dry room production)を構築しています。
歌詞の核となるのは、コンテクストを完全に拒絶した「絶対的な倦怠」。水曜日の午後3時半、見飽きた戦争のドキュメンタリー番組、冷めきった紅茶。不幸ではないけれど、どこへ行くでもなくただテレビの砂嵐を見つめているような労働者階級のリアルな生活の輪郭。リアム・ギャラガーを彷彿とさせる、あえて感情の起伏を排したチェストボイスでの宣言的な退屈さ(declarative boredom)は、フレーズの語尾を伸ばさずぶっきらぼうに投げ出す(line endings dropped off)ことで、テレビのノイズのようなフラットな実存感を放ちます。曲全体で息づくテープサチュレーション(moderate saturation tape warmth)と、サビ(コーラス)でぐっと引き締まるダイナミックコンプレッションの絶妙な緩急が、地味ながらも強烈な中毒性を生み出します。最後は感動的な解決を真っ向から拒絶し、アウトロのリフレインの途中でカミソリのようにプツンと音が完全遮断(instant cutoff)される、引き算の美学の極致です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。