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波は言葉を忘れ、
夕暮れは世界を薄青く包む。
誰にも届かないはずの孤独が、
海の向こうでそっと光っていた。
風は急がず、
鳥たちも空を低く滑る。
まるで時間そのものが、
静かに呼吸しているみたいに。
遠い記憶や、
言えなかった感情まで、
水平線は黙ったまま受け入れてくれる。
だから今日だけは、
答えを探さなくていい。
静けさの海に、
心を浮かべていればいい。
昔、人は火を手に入れた。 やがて鉄を知り、空を飛び、 ついには星を見上げるまでになった。 だが―― 便利になった世界で、 人の心は少し迷っている。 地球は熱を帯び、 争いはまだ終わらず、 街の灯りの中で ひとり静かに生きる者もいる。 強くなることは出来た。 だが、優しくなることは まだ途中なのかもしれない。 いま人類に問われているのは、 どこまで行けるかじゃない。 どんな世界を残すのか。