枕蹴散山松色早次助義理末久椀・朝煙衣後世願十徳のジャケット写真

枕蹴散山松色早次助義理末久椀・朝煙衣後世願十徳

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トラックリスト

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inspired by 紀海音(きかいね)「椀久末松山(わんきゅうすえのまつやま)」(1710)、岡村柿江作 大正歌舞伎『幻椀久(まぼろしわんきゅう)』(1710)(1925)ヨリ



「朝の煙を立つる助とはする。
不便ながらも剃刀にて、形見に残す下紙の、中よりふつゝと切り放せば肌を隠す衣は着る。後世を願ふ十徳あり」


あらすじ
【主要登場人物】
椀屋久兵衛(わんや きゅうべえ)通称:椀久
 大坂の豪商の息子。遊女・松山に入れあげ、親から勘当され座敷牢に入れられる。
 恋慕のあまり狂乱し、彷徨うことになる。

松山(まつやま)
 新町(大阪)の遊女(太夫)。椀久と深く愛し合っている。
 椀久の窮状を知り、心中を決意するが

久右衛門(きゅうえもん)
 椀久の父(あるいは家長)。放蕩する椀久を諌め、勘当・監禁する。

又右衛門(またえもん)
 椀屋の手代(番頭格)。椀久を厳しく監視・折檻する。

色早次郎(いろ はやじろう)
 備前の客。松山の客であるが、義理人情に厚い武士。
 物語の後半、狂乱の椀久と松山の窮地を救う重要な役回り。

道柴(みちしば)
 仲居や関係者と思われる人物。

作兵衛(さくべえ)
 駕籠かき。

【あらすじ】
1. 椀久の放蕩と監禁(上之巻)
 椀久は新町の太夫・松山との恋に溺れ、家の金銀を散財する。
 父・久右衛門と手代・又右衛門はこれを重く見て、椀久を諌めるが聞き入れられないため、彼を「座敷牢」に押し込める。椀久は松山に会えない苦しみと、親への不孝の間で精神を病んでいく。

2. 松山の決意
 松山は椀久が自分のために勘当され、閉じ込められたことを知る。
 彼女は椀久への操を立て、他の客(色早次郎など)になびかず、死んで椀久に詫びようと決意する。
 松山は廓を抜け出し(あるいは心中を覚悟して)、椀久のもとへ向かおうとする。

3. 椀久の狂乱と道行(下之巻)
 座敷牢を抜け出した(あるいは追放された)椀久は、正気を失い、「土佐衛門(編笠をかぶった乞食坊主)」のような姿で街を彷徨う。彼は幻覚の中で松山の姿を見たり、茶屋遊びの幻影を見たりして狂い踊る(※これが「椀久の狂乱」と呼ばれる名場面)。新町橋あたりで、松山と再会する(あるいは幻影を追う)。

4. 義侠の士・色早次郎
 松山と椀久は心中しようとするが、そこに松山の客であった色早次郎が現れる。
 早次郎は、本来なら自分の客である松山を奪う椀久は「敵」だが、「命より重きは義理の二字」と説き、二人の情愛に打たれて彼らを見逃す、あるいは助ける。(※本作は近松の『椀久』とは異なり、早次郎という武士の情けで終わる構成が特徴)

実際の台本のセリフから抜粋
「昨日は今日の昔なり。明日は今日の夢ならん」
「昨日は今日の昔なり。明日は今日の夢ならん」
「枕蹴散し頭(かしら)から後(うしろ)向かねて」
「枕蹴散し頭(かしら)から後(うしろ)向かねて」
「昨日迄思ひし事の愚かさ」
「昨日迄思ひし事の愚かさ」
「起請(きしょう)こそ今は仇なれ、是なくば忘るゝ事も有りなんと。引き破り噛みしだき」
「斯うした事の出来ようとは、夢にも知らで」
「斯うした事の出来ようとは、夢にも知らで」
「起請(きしょう)こそ今は仇なれ、是なくば忘るゝ事も有りなんと。引き破り噛みしだき」
「これや寝耳へ百鐵(ひゃくてつ)が入る」
「これや寝耳へ百鐵(ひゃくてつ)が入る」

「朝の煙を立つる助(たすけ)とはする。」
「朝の煙を立つる助(たすけ)とはする。」
「不便(ふびん)ながらも剃刀(かみそり)にて、形見に残す下紙(さげがみ)の、中よりふつゝと切り放せば」
「肌を隠す衣(ころも)は着る。後世を願ふ十徳あり」
「肌を隠す衣(ころも)は着る。後世を願ふ十徳あり」
「とかく戀路の亂れ髪、面影(おもかげ)。起きて別れし」
「とかく戀路の亂れ髪、面影(おもかげ)。起きて別れし」
「うつつか、夢か、幻か。逢いたい見たいは、恋の闇」
「うつつか、夢か、幻か。逢いたい見たいは、恋の闇」
「小判が散る、キラキラ……これは木の葉か、狐の仕業か」
「雪をかづける綿帽子。涙の玉の小間金を、袱紗ながらに」

「ここは奈落か、極楽か。松山恋しや、椀久はこれさ。鼓の皮よのほんえ」
「ここは奈落か、極楽か。松山恋しや、椀久はこれさ。鼓の皮よのほんえ」

「山松末久椀(やまもまつもすえひさしわん)。辿り行く、今は心の浮かれきて」


「濁る睫(まつげ)に玉を持たせつゝ。すつと立つて出でければ」
「これや寝耳へ百鐵(ひゃくてつ)が入る」
「小判が散る、キラキラ……これは木の葉か、狐の仕業か」
「小判が散る、キラキラ……これは木の葉か、狐の仕業か」
「財布は空じゃ、薬にする金もない」
「財布は空じゃ、薬にする金もない」
「涙の内に笑顔する。男も共に涙ぐみ」
「涙の内に笑顔する。男も共に涙ぐみ」

「松山恋しや、椀久はこれさ。鼓の皮よのほんえ」
「先づ待て一言いふ事あり。アノ法師を椀久とは初めから知つてゐる」
「中引き分けて行く事も、物の哀(あわれ)を知らぬに似たり」
「中引き分けて行く事も、物の哀(あわれ)を知らぬに似たり」
「しかし、命より寶(たから)より重きは義理の二字ぞかし」
「しかし、命より寶(たから)より重きは義理の二字ぞかし」

「永く榮えは色の道ならん」
「永く榮えは色の道ならん」

「鼓の皮よのほんえ。しんぞ此身はこれさ。打ち込んだ」
「肌を隠す衣(ころも)は着る。後世(ごせ)を願ふ十徳あり」
「誰やらが、わしを呼ぶ声。あれは松山、いや松の風」
「昨日は今日の昔なり。明日は今日の夢ならん」
「昨日は今日の昔なり。明日は今日の夢ならん」

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