

無力無善寺
オープンマイク
まつり太鼓
最近作った曲と
同じモノばかりあえて飲む
何になりたいかと聞かれ
無になりたいと答える
デアデビで聴いた
映画の話と
人間の話
分からない事が多過ぎる
貰った酒の缶の
水滴が掌についた
深夜三時
北口に散乱した
安いチューハイの空き缶
ゴミを啄む鳩
南口に湧く
太った太ったドブネズミ
あの娘から来てた手紙
煙にまみれた写真
花壇の上で
おじさんが鼾を嗅いている
まだ知らない何も分からない
高円寺があった
ファミマで買った
微糖珈琲
ちょっとだけ目を覚まし
人気の無い商店街を歩く
机の上にあった
にゃんにゃんブーメランのチラシ
薄いハムの一枚が
うまく取れなくて千切れてしまった
勧められた服も買えなくて
今日も愛想笑いだけを残して
夜が終わるのを待っていた
深夜三時
北口に散乱した
安いチューハイの空き缶
ゴミを啄む鳩
南口に湧く
太った太ったドブネズミ
あの娘から来てた手紙
煙にまみれた写真
花壇の上で
おじさんが鼾を嗅いている
まだ知らない何も分からない
高円寺があった
- 作詞者
鈴木 諭
- 作曲者
鈴木 諭
- レコーディングエンジニア
鈴木 諭
- ミキシングエンジニア
鈴木 諭
- マスタリングエンジニア
鈴木 諭
- ギター
鈴木 諭
- ベースギター
鈴木 諭
- ドラム
鈴木 諭
- ボーカル
鈴木 諭
- ピアノ
鈴木 諭

鈴木 諭 の“高円寺、一年二か月。まだ知らない。何も分からない。”を
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高円寺、一年二か月。まだ知らない。何も分からない。
鈴木 諭
「朝まで高円寺にいる」と言う体験を一度してみたかった。
だからその日は吉原悲劇に引っ付いて始発まで過ごした。
酔い狂った人間ばかりのデアデビ。
交わされる真面目な映画と音楽と人間の話。
いつもは行き交う人でごった返してる商店街も、夜の中で静まり返っている。
吉原悲劇は言う。「南口に兎に角デカいドブネズミが出るんだ」と。
宛ら名所見物にでも行くような勢いで南口へゆく。
広場には想像以上に太ったドブネズミが、しきりに汚い草陰から飛び出しては戻り、戻っては飛び出していた。
私は"表現的衝撃"を受けた。そして言った。
「悲劇さん、この広場と鼠は無善寺と一緒なんですよ!我々は汚いこの広場だけが居場所の、ドブネズミなんですよ!」
二匹のドブネズミは、缶チューハイを片手に"友達"を眺め続けていた。
きっと、どうしようも無い夜にしかない宝物が在るんだと私は思った。
アーティスト情報
鈴木 諭
地獄の詩世界と秋田弁ブルースを唄う、ただの秋田県人。じゅんさい王国(旧・山本町)出身。2023年頭より弾き語りを本格始動し、代表曲である『犬の川』はライブ演奏を通し多数の人間から「これは犬の楢山節考だ」などと激賞を得た。また秋田弁ブルースは「何を言ってるか全く分からないけど面白い」等の声を集め、ライブの重要要素の一つとなっている。
鈴木 諭の他のリリース
哥処 墨林庵



