一行のアンコールのジャケット写真

歌詞

一行のアンコール

Akemi

経堂の午後 区立の書架で

見返しのポケット カードを抜けば

三冊続けて 一つ前の行

濁点の流れる またあの字

二週間きっちり 返す日付

青いインクの 几帳面な字

顔も知らずに 癖だけ読める

同じ本の道 半月遅れ

借りれば並ぶ 最後のカード

埋まれば箱へ 仕舞われる列

戻せば誰かが 先に書くだけ

指がポケットを 二度出入りする

借りたい本の 貸出票は

残りの枠が あと一行

あの字の列の 突き当たりに

白く空いてる 一行の席

国道の埃と ジェットの真下

移動図書館の 水曜で育ち

偶然くらいは 大事にするの

最後の行なら 私が埋める

借りますの声 台に置く一冊

最終行に 名前を書いて

日付印の音 列ごと仕舞われ

新しい白が ポケットに挿さる

借りた一冊 抱えて帰る

商店街の 夕の灯りへ

次のカードの 一行目は

まだどちらのものでもない 白さ

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • マスタリングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

一行のアンコールのジャケット写真

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    一行のアンコール

    Akemi

「一行のアンコール」は、図書館の貸出カードにいつも同じ書き癖の名前を見つけてしまう冬の午後を描いたミディアムテンポのシティポップ。
経堂の区立図書館、見返しのポケットから抜く一枚のカード、濁点が右に流れる青いインクの字、残り一行になった貸出票、そして押される日付印――顔も知らない誰かと半月遅れでたどる同じ本の道が、会わないままの距離の近さを静かに浮かび上がらせる。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、紙の上の偶然を人任せにせず、最後の一行を自分の名前で埋めることで、縁の閉じ方と開き方を自分で決める大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、図書館の午後、紙のカード、名前と日付の並びを描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

カードの最終行に名前を書けば、あの字の列は日付印の音とともに箱へ仕舞われ、ポケットには白い新しいカードが挿さる。
その一行目をどちらのものでもないまま置いて、夕暮れの商店街を帰っていく――そんな未確定の余白を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.

アーティスト情報

nanayon music

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