Lyric

泳ぐのをやめた僕たちは

乾いた瑪瑙を飲み込んだ

君はまだ死を想ったまま

泳ぐのをやめた僕たちは

昏い水中へ駆け出した

水面に背を向け、自由のまま

青写真は君のスカートに張り付き離れてくれやしない

二人そっと隠れていたカメラオブスクラ

このまま僕ら魚になって滲んだ朝の光を見たい

ふたり逃げ出したように

君の声が浮かんだ、水中で溺れた

その孤独を飼い慣らさぬよう

淡く染まった爪も、風に揺れる髪も

意味をなくす！

泳ぐのをやめた僕たちは

呼吸も全て忘れていた

金色の陽が落ちていった

泳ぐのをやめた僕が見た

あの光を想う心だけ

あなたに伝わればいい

この青にはふたりだけあって

海に溶けてしまえたらなんて

なぜか頭に鳴るあのトロイメライだ

このまま僕ら魚になって自由に泳いでいきたいや

ふたり共犯者のように

君は声を繋いだ、美しく沈んだ

何も叶わないと知ったから

酷く怯える日々も、微睡むように揺れる

目を細めて笑い合う

哀が溢れて涙が止まらなくて

息も止めて逝きたかったんだけれど

愛が溢れて涙が止まらなくて

息求めて生きていたくて

君の声が浮かんだ、水中で溺れた

その声だけ、それだけでいい！

濡れた髪が解けた、遠く飛ぶグライダー

その孤独はふたりのものだ

君の声が聞こえた、この空気に響いた

明日にそっと、落ちていく