手持ち無沙汰の夕暮れに、その日暮らしの歌唄い。
花を連れ往く覚悟でも、帰る場所など決めてない。
話すことさえ面倒で、食べることすら億劫で、
息を吸うだけ夕涼み、憂いばかり歌っていた。
何もいらないから、何も奪わないで。
だってそうでしょう、帰り道は笑いあいましょう。
さよならなんだと歌って、語る背に夕日背負って、
思い出は遠く邪魔して、もう胸を焦がす夏はないよ。
舟に乗ってあの向こうへ、誰もいない歌の方へ漕いで、
ボンボヤージュ
さようなら、もう会えぬ人。
詩書きはノートに遺書書いて、僕はそっとそれを燃やして、
くだらない歌を歌うなよ、面舵いっぱいようそろう。
詩の本当の意味だとか、考えたことあんのかよ。
大人になったな、馬鹿ばっかりだな。
夏の暮れ、潮風吹いて、キャンバスに砂張り付いて、
このままずっと続くなら、終わってもいいと歌った。
それでも季節は巡って、今年の祭りはないらしいよ。
ボンボヤージュ
もう夏が終わるよう、雲の形の変わり様、
これから全て忘れよう、なんか寂しいねえ、
子供ではないんだね。
可惜夜にあの日を書いた、綯い交ぜにして飲み込んだ、
詠人は疾うに自明だ、他人に邪魔されてたまるか。
花を連れ遠く行こうぜ、誰もいない歌の方へ漕いで、
ボンボヤージュ
風に飛ぶ帽子の方へ、あの日の方へ、
あの日の僕へ、友達の方へ、確かな方へ。
揺れる心だけを書いて、くだらぬ方へ、
手のなる方へ、僕だけの方へ、この手で漕いで。
ボンボヤージュ
なあ、僕の歌をどう思う。
- Lyricist
rote
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rote
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- Bass Guitar
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rote
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