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◆本作の見どころとサウンドの旅路
Vol.9の幕開けは、ペルシャ湾の美しい薫風と悠久の歴史が交錯する「アラビアン・ヘリテージ・セクション」から始まります。オマーン(121番)の伝統的な海洋航海を思わせるウードの旋律と力強い手拍子から、クウェート(122番)の小さな伝統太鼓ミルワースが跳ねる Sawts グルーヴ、バーレーン(123番)の真珠採りの歌の記憶を宿した神秘的なネイのアンビエントへ。さらにイエメン(124番)の最古の都市サヌアに響き渡る哀愁のウード、そしてシリア(125番)のダマスカスの夜を彩る気高きカヌーンの virtuoso(名手)による変拍子アンサンブルへと続き、中東のディープな音楽的遺伝子を解き放ちます。
中盤からは、ヒマラヤの秘境から東南アジア、そしてサハラ砂漠の入り口へと劇的に風景が移り変わります。ブータン(126番)の聖なる寺院に木霊するダムニェンの爪弾きと singing bowl の深い静寂、東ティモール(127番)の伝統的なタイス・ダンスを彩る陽気なアコースティック・ポップ、ブルネイ(128番)の荘厳なモスクに響く黄金のブロンズ・ガメランとモダン音響の融合。そこから一気にアフリカ北部へと渡り、リビア(129番)のサハラ砂漠の地平線を描き出す伝統縦笛マグルーナの原始的な咆哮、スーダン(130番)のナイル川の流れのように心地よいペンタトニック(五音音階)のエレキギター・ポップへと、ダイナミックに駆け抜けます。
旅の終盤は、地球上で最もディープでスピリチュアルな音楽が息づく「サヘル&西アフリカ・ライン」へと突入します。南スーダン(131番)の巨大な木製太鼓が大地を揺らす原始のフェスティバル・パルス、チャド(132番)の乾燥した平原を駆けるアコースティック・ルートの素朴なグルーヴ、ニジェール(133番)のサハラ砂漠の王トゥアレグ族が紡ぐ強烈でサイケデリックなデザート・ロックギター、モーリタニア(134番)の果てしない砂丘を想起させる伝統弦楽器ティディニットのトランス・ブルース。そして本作のラストを飾るガンビア(135番)では、伝統的なサバールドラムの強烈なポリリズムと、21弦の美しきコラハープの arpeggio が完璧な調和を見せ、感動的なフィナーレを迎えます。
◆総評
何世代にもわたり砂漠や山嶺、大河のほとりで受け継がれてきた伝統楽器の息吹と、洗練された現代のデジタル・プロダクションが奇跡のバランスで同居する本作。ステレオの前に座るだけで、キャラバンに乗り、砂漠の星空を見上げ、西アフリカの圧倒的なビートに身を委ねるような、至高のトラベル・オーディオ体験をお届けします。NyariSoundsが自信を持って世界へ送り出す、地球の野生と洗練が交錯する新たなビートをぜひ体感してください。
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