江州多賀誉三重清見が関所之唐橋作十のジャケット写真

江州多賀誉三重清見が関所之唐橋作十

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トラックリスト

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inspired by 座元:竹本 金蔵 後見:竹本 政太夫『会稽多賀誉(かいけいたがのほまれ)』
浅沢の杜若吉原の庭桜 (1797)

江州多賀誉三重清見が関所之唐橋作十



登場人物

早枝時元卿(さえだときもときょう):江州かみ山の領主で、多賀の大領(大守)。



紅梅姫(こうばいひめ):時元卿の妹。唐橋作十郎に恋心を抱いている。


大道寺美作守義国(だいどうじみまさかのかみよしくに):時元卿の分地(七万石)の領主。お家乗っ取りを企む悪役。



大道寺学太郎(だいどうじがくたろう):美作守の息子(若殿)。吉原で遊興に耽り、横暴な振る舞いをする。



松浦軍蔵(まつうらぐんぞう):大道寺家の家臣(倍臣)。悪役の手先。



平野官兵衛(ひらのかんべえ):大道寺家の家臣。軍蔵とともに悪事を行う。


唐橋瀬左衛門(からはしせざえもん):多賀家の家老(江州多賀の代官)。忠義に厚い。



唐橋作十郎(からはしさくじゅうろう):瀬左衛門の弟。美少年で時元卿の寵愛を受けていた。



采女之介(うねめのすけ):時元卿の弟(部屋住み)。吉原の遊女・三国に夢中になっている。



三国(みくに):吉原「中の町」の松田屋の遊女(大夫)。采女之介と相思相愛。


定平(さだへい):采女之介の供をする家来。


甚右衛門(じんえもん):江州多賀の領内の庄屋。


お町(おまち):甚右衛門の妻。


甚之介(じんのすけ):甚右衛門の息子。学太郎に理不尽に殺される。



新次郎(しんじろう):磯松新五右衛門の息子。草刈童に扮して学太郎を諫める。

3. あらすじ(第一段〜第六段)
第一段(清見が関)
謀反の噂により厳重に閉ざされた清見が関。多賀の家臣・唐橋作十郎は、主君の危機に急ぎ駆けつけるため、関守の坂本数馬之介らに「片腕を質物にする」と機転を利かせた交渉を行い、見事に関所を通行します。


第二段(吉原中の町)
吉原の遊女・三国の心を射止めようと、大道寺学太郎が金に物を言わせて大尽遊びをしています。しかし、三国の心は多賀の弟・采女之介にありました。一方、学太郎の父・大道寺美作守と家臣の軍蔵は、早枝家の重宝(菅公の正筆、紅梅の旗、柴船の花生)を奪い、お家を乗っ取る企みを巡らせています。唐橋瀬左衛門は、遊郭に通い詰める采女之介を厳しく諫めます。


第三段(水茶屋・廓の喧嘩)
吉原の茶屋で、学太郎は金をばら撒いて豪遊し、采女之介を「猫大名」と挑発します。両者は一触即発となりますが、瀬左衛門が間に入り、かつて金閣造営の金五千両を紛失した罪を大道寺側に突きつけ、学太郎たちを追い払います。学太郎は深い遺恨を抱きます。


第四段(野辺の鷹狩)
学太郎が他領(早枝家の領地)で鷹狩りを行っていると、鷹が松の木に絡まってしまいます。草刈童に扮した新次郎が鷹を助けつつ学太郎の非道を諫めますが、学太郎は表面上は聞き入れるふりをします。しかし直後、鷹を巡って争っていた庄屋の息子・甚之介を理不尽に斬り殺してしまいます。


第五段(瀬左衛門の諫言と最期)
甚之介を殺された代官・瀬左衛門の陣屋に、学太郎が死骸を持ち込みます。息子を殺された庄屋・甚右衛門夫婦の悲痛な訴えを聞き、瀬左衛門は学太郎の非道を厳しく責めます。学太郎は改心したふりをして瀬左衛門を油断させ、油断した隙に彼を床柱に縫い付け、重宝である「菅公の正筆(一軸)」を奪い取って嘲笑いながら去っていきます。


第六段(多賀の館・宝の紛失と作十郎の苦悩)
軍蔵の手引きで、重宝の「柴船の花生」までもが盗まれます。時元卿の館に美作守が上使として訪れ、金閣造営のために重宝三品を献上するよう求め、さらに紅梅姫を学太郎の妻にと要求します。宝が紛失した責任を問われる中、作十郎は采女之介を庇い、すべての罪を自分が被ろうとします。しかし時元卿は、作十郎を処罰するどころか加増し、紅梅姫との祝言を命じます(采女之介は勘当されます)。兄・瀬左衛門の仇(学太郎)を討つため、そしてお家を守るために不義の汚名を被って館を去ろうとしていた作十郎は、姫の真の愛情と主君の恩義の板挟みとなり、深く苦悩します。


実際の台本のセリフから抜粋
日本に伝ふ三重の唐橋が
ホ、ウ。その頓智は多賀
ヤモ驚き入た御計略。
此上は其元の片腕を清見が関所相守る。

ヲ、サ其上うせたる芙蓉の茶入。
懐中より出たれば宝の盗賊。
旁以って遁れぬ所作十郎。
観念しやれと両人か。
互に目と目見合せて云ィ合せたる詞詰。

いざ参らふと夕告の。
鳥の音ならぬ弁舌にて。
関を透し計略を。
日本に伝ふ三重の唐橋が。

いかにも
盗賊先年金閣造営の折から。
五千両の紛失。
御金役人の誤と成。
疑もなき金役の極印。
サ、御返答承らんと。

蓼喰う虫も好き々と。
人の揚て置大夫を盗喰ひ仕あるく。
人の喰余りを盗たがる。
口へ出侭の悪口雑言 。

「お心に随はぬ 当り眼。
恥をか、せる其短冊。
そふさしやんすりや猶の事。」

ハ、、、、何と学太郎様。
アレ御らふじませ。
女猫と男猫が泣まする。
何とよいさまではござらぬか。
盗喰ひの成敗は。
蝙蝠侍の盗賊大名。

みんな見にくる色くらべ老木。
若木のわかちなく。
桜花にうかれて曲輪へ通ひ

作十郎は罪科も。
身よりなしたる誤りと恐れて
詞も黙し居る。

是迄つもる不行跡。
御寵の有がたく。
只今出るは館の名残。
随分御無事で。
妹さらばと。
すごく立は立ながら。
骨肉同朋の。
別れに引る、後がみ。

蓼喰う虫も好き々と。
人の揚て置大夫を
盗喰ひ仕あるく。
人の喰余りを盗たがる。
口へ出侭の悪口雑言 。

盗賊先年金閣造営の折から。
いざ参らふと夕告の。
鳥の音ならぬ弁舌にて。
関を透し計略を。
日本に伝ふ三重の唐橋が。

落着所をしらせてと。
いはぬ色なる山吹の旅の手当を情の餞別。
追立られて涙で行。
ホ、ウ。その頓智は多賀
ヤモ驚き入た御計略。
此上は其元の片腕を清見が関所相守る。

アーティスト情報

COAT RECORDS