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2001年に録音した『変身』は、短期間で一気呵成に書き上げたものだ。書いた動機は単純で、「そういやオレはまだ、ラブソング集をつくっていないな」と思い立ったからである。収録曲のどれもに、相互の関連があり、アルバムにトータルなムードを与えている。言葉にするなら、透明な哀しみといった種類の、感情の表れだ。
引き込み線のジャケット写真は、府中市の発掘遺跡の作業場で、代理人の太郎ちゃんが撮影したものだ。このアルバムの随所に、街の情景が描かれているから、タイトルは『東京』でよかったかもしれない。
録音した2001年当時の、空気感のようなものが伝わればいいと思う。
鰯こと岩下啓亮 Sardineです。 1983年から2003年までの20年間で、ひとり多重録音した楽曲が約170曲あります。これらを2024年から2025年にかけて時系列的にまとめたアルバムを順次リリースしました。そして2026年は楽曲の重要度やリスナーの好みに基づいたベストアルバムをいくつかリリースする予定です。 その音楽は、多種多様です。親しみやすいポップスもあれば、社会的視点をそなえたメッセージソングもあります。プログレッシブな構築性もあれば、パンク的な破壊志向の側面もあります。手ごわいピアニストで、マッドなシンセサイザー弾きで、たどたどしいギタリストで、音の読めるベーシストで、緩いリズムのパーカッショニストで、ひとり多重コーラスを駆使する、不器用なシンガーソングライターです。それらすべてのパートが、一つの人格に統合されているのです。 ロマンチックと薄情と情熱の混淆、とりとめもない不安と届かぬものへの憧憬を描いた、オールディーズだけどもエヴァーグリーン。表情豊かな鰯の音楽を、ぜひお聞きください。