立ちんぼしてHIVになった私のジャケット写真

歌詞

立ちんぼしてHIVになった私

誰にも言えない

終電すぎの 交差点

ネオンが 肌を照らす

値段は先に 決まってて

名前は 誰も聞かない

「大丈夫?」って 聞かれても

何が大丈夫か わからない

その夜だけを 越えるため

うなずく癖が ついていた

守ったつもりの ルールほど

簡単に 崩れてく

選べなかった 瞬間を

全部 自分のせいにした

たちんぼして エイズになった私

ニュースじゃ 一行で済む

軽率だった その一言で

全部 片づけないで

たちんぼして エイズになった私

生きてるだけで 精一杯

死んでないのに

もう 終わった顔で

見ないで

検査結果の 白い紙

数字と文字が 重たい

「これから」の話を

誰も ゆっくり言わない

友達のLINE

既読だけ 増えていく

言えない理由が

また 一つ増えた

「自業自得」って

便利な言葉

誰かを 安心させるための

ナイフみたいだ

たちんぼして エイズになった私

触れられる前に

視線が 避けられる

体より 先に

人から 外される

たちんぼして エイズになった私

それでも 薬を飲んで

明日を

計画してる

静かに

怖かったのは

病気より

誰にも 必要とされなくなる

想像

たちんぼして エイズになった私

間違いだけで できてない

弱さも 選択も

全部 私の人生

たちんぼして エイズになった私

終わりじゃないって

何度も

自分に言う

生きてるから

朝の光が

普通に 差す

今日も 薬を飲む

誰にも 買われない

この時間を

ちゃんと 生きる

  • 作詞者

    510

  • 作曲者

    510

  • プロデューサー

    誰にも言えない

  • グラフィックデザイン

    誰にも言えない

  • ボーカル

    誰にも言えない

立ちんぼしてHIVになった私のジャケット写真

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    立ちんぼしてHIVになった私

    誰にも言えない

この楽曲は、刺激的な言葉で注目を集めるための物語ではない。
「誰にも言えない」というアーティスト名が示す通り、社会の中で声を持たないまま生きている人の内側を、静かに、逃げずに描いた作品である。

主人公は、自身の選択や過去を美化もしなければ、被害者として単純化もしない。
そこにあるのは「事情」や「言い訳」ではなく、結果を抱えたまま今日を生きている一人の人間の視点だ。

サビで繰り返される言葉は、世間が貼るラベルそのものでもあり、
同時にそれを自分の言葉として引き受け直す行為でもある。
ニュースの一行、噂話、匿名の正義――
それらが切り捨ててしまう「その後の人生」が、この曲の本当の主題だ。

後半に進むにつれ、ドラマは起きない。
あるのは薬を飲み、朝の光を浴び、誰にも買われない時間を生きるという地味で確かな継続。
それこそが「終わっていない」という唯一の証明になっている。

この曲は、同情を求めない。
赦しを強要しない。
ただ、見る側が勝手に終わらせてしまう視線に対して、
「まだ生きている」という事実だけを、静かに突きつける。

これは告白ではなく、宣言でもなく、
日常の記録だ。
そして、その日常を「ちゃんと生きる」こと自体が、
この楽曲における最も強いメッセージである。

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