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遠くに来たはずなのに
心だけは、まだ帰り道の途中だ
知らない街の灯りは
優しさの形をしているのに
どこかよそよそしくて
懐かしい匂いも
あの部屋の静けさも
もう触れられない気がして
ポケットの奥で
思い出だけが温度を持つ
帰りたい、じゃなくて
戻れないことを知っているから
今ここにいる自分が
少しだけ滲んで見える
それでも夜は過ぎて
朝はちゃんと来るから
この寂しさも
きっと、名前のある旅になる
昔、人は火を手に入れた。 やがて鉄を知り、空を飛び、 ついには星を見上げるまでになった。 だが―― 便利になった世界で、 人の心は少し迷っている。 地球は熱を帯び、 争いはまだ終わらず、 街の灯りの中で ひとり静かに生きる者もいる。 強くなることは出来た。 だが、優しくなることは まだ途中なのかもしれない。 いま人類に問われているのは、 どこまで行けるかじゃない。 どんな世界を残すのか。