

やっと会えた 言葉を知ったその日に
言い当てた 場所はどこだったかな
溶けきった雪の方から 流れた水の先にあった
レールに飛び乗って 列車は駆けていった
気になった 渡り鳥の歌声
言い当てた 場所はここであってたかな
七色の道を 描いたままで進もう
揺れる言葉に 積み込んだはずの思いと
色あせていく 街並みを眺めて
甘い恋なんて 捨ててしまえばいいさ
気付かないうちに 老いぼれてしまった
寄り添ったままの 愛が響き出した
弧を描くように 伸びた影の先で
呼ばれてしまった 繰り返される声に
目を覚ましたんだ 雲の切れた先で
やっと少し気づいたんだ 鳴らすべき時の音に
そう思ったままでいるよ
- 作詞者
The Last Person
- 作曲者
The Last Person
- プロデューサー
The Last Person
- レコーディングエンジニア
The Last Person
- ミキシングエンジニア
The Last Person
- マスタリングエンジニア
The Last Person
- グラフィックデザイン
The Last Person
- ギター
The Last Person
- ベースギター
The Last Person
- ドラム
The Last Person
- キーボード
The Last Person
- シンセサイザー
The Last Person
- ボーカル
The Last Person
- バックグラウンドボーカル
The Last Person

The Last Person の“時の音”を
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時の音
The Last Person
アルバム全体を貫くテーマである“内なる葛藤”の中において、本楽曲は静かな覚醒と気づきを象徴する位置を占めている。そのタイトルが示す通り、『時の音』は、音楽的にも感情的にも、「目覚め」の瞬間に焦点を当てた一曲である。
焦燥や諦念に支配された日々のなかで見失われがちな「始まりの気配」を、鋭敏な感覚で掬い上げるようにして生まれたのが、この楽曲である。圧倒的なノイズや衝動ではなく、内面の深部に訴えかけるような感覚がこの作品の核心を成している。
音像は激しく、重厚である。轟音のようなディストーションギターが空間を埋め尽くし、ドラムとベースが地を這うようなグルーヴを刻む。一方で、その激しさは決して外向きではなく、自己の内側へと沈潜するベクトルを持つ。まさに、シューゲイザー的文脈からの影響を色濃く感じさせる構成であり、リバーブとディレイに包まれたギターのレイヤーは、夢幻と現実の狭間を揺れ動くような浮遊感をもたらしている。
この曲では、ギターの深い残響と、柔らかく広がるシンセサウンドが交錯しながら、ノスタルジーと未来の予感を同時に描き出している。全体としてはきわめてラウドでダイナミックでありながら、音の一つひとつは繊細に配置されており、楽曲全体がひとつの「内省の風景」を構築している。アルバム全体の中でも異彩を放つ、“轟音と沈黙のあいだ”に宿る情熱を描いた一曲である。
The Last Personの音楽性は、Oasis、ASIAN KUNG-FU GENERATION、Nirvana、スピッツなど、国内外のロックレジェンドからの影響を基盤としている。本楽曲ではそうしたルーツに加え、My Bloody ValentineやSlowdiveといったシューゲイザーの先達に対するオマージュが、独自の形で昇華されている。
タイトルの英訳は「Awakening Song(覚醒の歌)」である。アートワークには12の言語で「覚醒」という単語が刻まれており、それぞれが異なる文化的背景を持つ人々に共鳴する普遍的なテーマを象徴している。誰もがいつか、自分自身と向き合い、目を覚ます瞬間がある。『時の音』は、そうした瞬間に寄り添うための楽曲である。
本作は、2025年5月14日にリリースされるフルアルバム『Record of Inner Conflict』の“最後の先行シングル”という位置付けを持つ。アルバム全体を通して描かれる、迷いや怒り、喪失、再生といった感情の軌跡――その物語の始まりを告げる、決意のような一曲である。
アーティスト情報
The Last Person
「最も~しそうにない男」を意味する名を持つ、東京を拠点としたDIYソロアーティスト、The Last Person。作詞・作曲、演奏からミックス、マスタリング、アートワークまで、制作の全工程を一人で手掛ける。10年以上にわたる葛藤を記録したデビュー作『Record of Inner Conflict』をリリースし、自身の新たな活動として、20歳の頃に書いたデモと再会。時を超えたかたちで、自身のテーマとなる楽曲『The Last Person's Theme』を完成させた。そのサウンドはオルタナティブロックを軸に、シューゲイザーの浮遊感やガレージロックの衝動といった要素を取り入れている。制作の全てを自身で管理しているからこそ、ストリーミング時代の音響を探求する実験的なリリースも可能にしている。
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