沸点のフェルマータのジャケット写真

歌詞

沸点のフェルマータ

Akemi

電話を切った 指が冷えてる

池ノ上の夜 やかんに水を

青い火をつけて 沸くのを待つ

静けさの底に 耳が下りてく

「まだ帰れない」と いつもの声で

その奥に鳴った 氷の音

聞き違いかしら 二度は鳴らない

おやすみだけを 先に言った

底で目覚める 小さな泡

蓋が震えて 音になりたがる

細く鳴り出す 笛の高さに

さっきの氷が 混ざって聞こえる

笛は細いまま 声に似てくる

誰と どこでと 尖ってく音

火を見つめてる 指は動かさない

鳴り切るまでは あと数センチ

国道沿いの 大和の台所

夜のトラックに 蓋が鳴ってた

鳴る前の震え 先に聞く癖

あの振動の 続きのような夜

鳴り切る手前で 火を捻り消す

笛は途切れて 蒸気は残る

悲鳴にだけは させない夜よ

白湯を注いで 指を温める

何も混ぜない 白湯の白さ

ひと口ごとに 問いを薄める

鳴らない受話器 廊下に黒く

その温みだけ 手の中にある

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

沸点のフェルマータのジャケット写真

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    沸点のフェルマータ

    Akemi

「沸点のフェルマータ」は、深夜の台所で恋人からの電話を切ったあと、その声の奥に一度だけ鳴った氷の音をめぐって膨らんでいく疑念を描いたミディアムテンポのシティポップ。
青い火にかけた笛吹きケトル、細く鳴り出す笛、廊下に置かれた黒い受話器、ひと口ごとに薄めていく白湯——沸き切る手前で火を捻り消すその指先が、確かめないという選択の静けさを浮かび上がらせる。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、聞こえてしまった音を問い詰めの言葉にはせず、疑いを自分の手で鎮める大人の孤独。尋問にしないと決めた夜を、彼女は自分で沸かした温みだけで閉じていく。

70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、深夜のキッチン、鳴り切る手前の笛の高さ、白湯の白さ、国道沿いの台所の記憶を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

鳴り切るまであと数センチ、悲鳴になる直前で捻り消される青い火。問いを口にせず、白湯の温みだけを手の中に残して閉じる——そんな静かな選択を描いた楽曲。

Produced by nanayon music.

アーティスト情報

  • Akemi

    1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。

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