

秋の夜の 下北の三和土
爪先の白い 擦れに気づく
靴墨の缶 蓋を回せば
去年の匂いが 少し立つ
給水塔の下 砂利の坂道
ジェットの影が 靴を追い越した
帰れる街には もう帰らない
布に取る墨 甲に伸ばす
擦れば戻る 革の深い艶
墨の匂いに あの道が立つ
「濡れない方を」と 選んだ背中
墨を含んで 甲が光る
踵の斜め 減ったままで
そこは墨でも 埋められない
覚えているのと 戻せることは
別のことだと 指が知るの
もう一度履けば あの道に出る
そんな気がして 缶を見てた
でも艶は戻る 道は戻らない
戻せるほうだけ 今夜は磨く
拭き取れば消える 墨の湿り気
あの道の匂いも 乾いてゆく
艶だけ残して ブラシを置く
床に伸びる 玄関の灯り
明日も履く靴 揃えて仕舞う
下駄箱の扉 静かに閉じて
あの道はもう 磨かないけど
指にまだ 墨の匂いが
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

Akemi の“靴墨のエピローグ”を
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靴墨のエピローグ
Akemi
「靴墨のエピローグ」は、別れた恋人と歩いた道の記憶を靴墨の匂いの中に見つめる、余韻と回想を描いたミディアムテンポのシティポップ。
秋の夜の三和土、蓋を回す靴墨の缶、円を描いて磨く布、斜めに減った踵の革――手入れで戻る艶と、歩いた分だけ戻らない減りの境目を、指先の感触からゆっくりと浮かび上がらせる。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、もう一度あの道をとは願わず、戻せる艶だけを今夜磨いて靴を仕舞う、自分の足で前を選ぶ大人の孤独。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、夜の玄関の灯り、嗅覚が連れてくる去年の道、給水塔の下の砂利の坂道を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
磨き上げた靴を揃えて下駄箱に仕舞い、扉を静かに閉じても、指にはまだ墨の匂いだけが残っている。――戻らないものを知りながら、もう一度を願わずに前へ踏み出す、静かな余韻を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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nanayon music



