夕灯のジャケット写真

歌詞

夕灯

志河枕

左頬の北斗七星をまた眺めたい

君と僕が隣の席だった時代

忘れられない、君が傍に居た日常よ

ふたりだけのオレンジ色の教室

朝陽眺めて

気付いたら

夕陽の時間に

なってるような

制服の日々

雨の日は

君と同じバスだから

少し嬉しい気持ち

隠して帰ってみたり

悩みがちな僕のこと

笑い飛ばしてくれる

君が好きだった

君のこと考えると

いつでも懐かしくて

泣いちゃいそうなんだ

どうしたらいいの?

どうにもならないよ

そんなこと分かってるけど

忘れられないんだよ

卒業式来なかったこと

突然のことでびっくりしたよ

途方に暮れては終わった青春

振り返っては君を探す

同窓会にはたぶん来ない

もう一生会える気がしない

でも最後の最後まで君らしいな

また会う日まで、バイバイ

バイバイ

  • 作詞者

    Tom Wanda

  • 作曲者

    Tom Wanda

  • プロデューサー

    Tom Wanda

  • プログラミング

    Tom Wanda

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    夕灯

    志河枕

Cigamacla「夕灯(ユウヒ)」

——“過去を抱きしめる勇気”が灯す、オルタナティブな青春譜

22歳の誕生日を経て、Cigamaclaが新たに発表した一曲「夕灯(ユウヒ)」。
この作品は、彼がこれまで築いてきたサウンドの核心——“記憶と時間”の詩学を、よりパーソナルに、そしてより成熟した形で結晶化させたものだ。

およそ1年前にはすでにトラックの骨格ができていたという本作。
リリースのタイミングをあえて遅らせたのは、Cigamacla自身がその記憶と向き合う準備をしていたからだという。
「未練や後悔ではなく、思い出として愛せるようになった」とCigamaclaは語る。
その言葉の通り、この曲は過去を引きずるためのものではなく、過去を赦すための音楽として響く。

トラックはラテンの風を思わせる軽快なリズムと、
808の深い鳴りを軸にしたCigamaclaらしいオルタナティブ・ヒップホップ。
Bad BunnyやThe 1975「TOOTIMETOOTIMETOOTIME」などから影響を受けたというが、
南国的な陽気さではなく、どこか翳りを帯びた“黄昏のグルーヴ”に仕上げている点が特徴的だ。
その温度差の中で、夕陽の光と街灯の灯が交錯する時間——「ユウヒ」という象徴が音として形を持つ。

歌詞では、高校時代の風景が淡い記憶のように立ち上がる。
朝日が差し込む教室、席替えで近づいた好きな人、雨の日に同じバスに乗る小さな幸せ。
どれも特別ではないが、確かに自分を形作った断片たち。
「気づけばもう夕方だった」という時間感覚が、この曲全体を支配している。
それは、過去を懐かしむだけでなく、“いま”という瞬間をどう生きるかを問いかける視点でもある。

「夕灯」というタイトルには、
夕陽と街灯が街を包みはじめる時間帯の光景が込められている。
自然の光が消えていくその瞬間、人工の光がそれを引き継ぐ。
——まるで“思い出”が“生きる力”へと受け渡されるように。
Cigamaclaにとってこの曲は、自分の青春を閉じるためのものではなく、その記憶の中に残る“光”を再び灯すための作品だ。

Cigamaclaはこれまでも「春歌」や「永遠の光」など、
“青春の記憶”や“愛の残響”を描いてきたアーティストだ。
その中で「夕灯」は、より私的でありながら普遍的なテーマに到達している。
それは、過去を悔やむことではなく、
過去の自分を抱きしめ、「あれも自分らしかった」と肯定する姿勢だ。

“卒業アルバムをめくるように聴いてほしい”——
彼がそう語るように、この曲は一人ひとりの心にある「青春のページ」をそっと開かせる。

アーティスト情報

Cotton Lights Music

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